最大60人の宴会が可能 名寄の「一きゅう会館」 ザンギ、ピザなどこだわりの品々用意 プライベートな空間を確保 個人利用から大人数まで幅広く対応 2階は40人収容可能な大部屋備える
地元住民のみならず、旅行者、出張者など、みんなから愛される「一きゅう会館」。創業は、陸上自衛隊名寄駐屯地と同じ1953年(昭和28年)で、今年で72年を迎える老舗。コロナ禍を経て、名寄も大人数に対応した宴会場が姿を消していく中、店舗の1階と2階を改装。1階は従来からあるテーブル席はそのままに、最大60人の宴会から、パーテーション(間仕切り壁)を活用することで40人、20人、10人と用途に応じた会場レイアウトが可能となった。
同会館を運営する有限会社一きゅうの澤渡泰人さんは、「家族連れ、職場の会議を兼ねた飲食など、プライベート空間を確保しながら、お客さまのご要望に対応していきたい」と決意。コロナ禍を経て、原点でもある宴会場としての役割りに力を入れ、新たなスタートを切った。
一きゅう会館は、自衛隊が名寄に駐屯するという話を聞いた先代の澤渡一弓(いっきゅう)さんが、隊員さんのための飲食店が必要になるだろう―と、53年に「焼鳥一きゅう」を現在地に出店したのが始まり。
翌54年には下宿屋を増設。55年6月には、「一きゅう会館」として2階に宴会場を増設。最大100人を収容できる座敷宴会場で、結婚式会場としても活用された。
その後、旧名寄信金の社員食堂を請け負ったり(62年)、ドライブイン40号を智恵文峠に出店(69年)。その後、ガソリンスタンドをドライブインに増設するなど、時代に合った挑戦を絶えず行ってきた。
2代目となる泰人さん(現有限会社一きゅう代表取締役会長)が東京から帰名し、市役所職員となるが退職。「一きゅう会館」の表50坪を改築し、82年には店舗1階を居酒屋、2階をスナックとして営業を開始した。
87年12月には、有限会社「一きゅう」に法人化。97年「ら~めん山頭火」をフランチャイズとして出店。98年名寄市役所食堂を出店。99年には名寄徳田ショッピングセンターにテナントとして「一弓ラーメン」を出店。その後、2004年頃から景気低迷期に入り、店舗縮小を余儀なくされるなど現在に至る。
コロナ禍を経て、市内の大人数が収容できる宴会場が軒並み姿を消していく中、大人数に対応できる宴会場を何とか確保してほしい―との地域住民からの要望を受け一念発起。市や国の補助を活用して店舗内の改装を急ピッチで実施。1階は個人利用から大人数(最大60人)の宴会までの受け入れを可能とした。
1階奥の小上がり部分などの壁を取り除くとともに、パーテーションを活用し、60人を最大に、40人、20人、10人と、利用人数や用途に応じて使い分けられる個室に改装。
澤渡さんは「お客さまが使いやすい店づくりを意識しました。これまでプライベートが確保できる個室は必要なかったですが、コロナ禍を経て、お客さまも個室を求める傾向が強くなっている」と時代のニーズに対応。
2階は最大40人を収容できる大部屋に改装。ミーティングや宴会などの際に挨拶などができるよう、小型のステージも備える。
一方、料理は先代の味を踏襲。地元食材にこだわり、「一きゅうザンギ」「みそピザ」「チャップ焼」「レバーにら炒め」「ホルモンみそ煮込み」「名寄産玉子焼」「東京油そば」「道産おいしい餃子」など人気メニューは多数。
中でも「一きゅうザンギ」は、STVラジオ喜瀬ひろしのときめきワイドのコーナー「ときめきザンギグランプリ」で、全道21店舗のザンギに選ばれるほどの自信作。
また、ビールは全国でも珍しい、サントリー、アサヒ、サッポロの大手3社の商品を提供しており、飲み比べも楽しめる。
営業時間は午後5時から同10時までを基本に、不定休(12月31日、1月1日は休み)。澤渡さんは「営業時間はあくまでも目安で、時間外でも予約があれば開店します」と語っている。
予約、問い合わせは、名寄市西4南4の「一きゅう会館」(01654-2-2365)へ。
(間所)