東風連の小さな馬たち

森谷さんとポニーたち

下川町内で北海道和種馬を飼う筆者は2021年11月、名寄市風連町東風連の農業、森谷國生=もりたに・くにお=さん(当時64歳)の飼う馬を訪ねた。
 森谷さんの農場ではその当時、ポニー(小柄な馬の総称)5頭が飼われていた。
 和種馬よりも小さな品種ファラベラなどの血を引いているようで、タイセー(青毛、4歳オス)、アズキ(芦毛、8歳メス)、ラブ(駁栗毛=ぶちくりげ=、8歳メス)と、タイセーたちの子2頭(いずれも青毛で2歳と0歳)がいた。
 小柄で、人を乗せることは難しいようだが、タイセーは冬になるとそりを引き、森谷さんの孫を乗せて楽しませている。
 森谷さんの農場では、父の代から農耕馬(ばん馬)を飼っていた。多いときには、10頭以上いたそうだ。
 森谷さんの父は、かみついたり、けったりする馬を農家から買って、調教し直して売り、「馬喰」(ばくろう)ではなかったが、近いことをしていたと言う。
 1970年頃、トラクターなどの機械化が進んだ後も、趣味で1、2頭を飼い続けたようだ。
 やがて、農場から馬がいなくなったが、森谷さんは9年前(2012年)からポニーを飼い始めた。
 「昔から馬が好き。負担の少ない、小さい馬から飼うことにした。もう少し大きな、乗馬できる馬も飼いたい。鞍(くら)は持っている」と語る。孫たちも馬に野菜を与えるなど触れ合っている。
 森谷さんは動物が好きで、その当時、ボーダーコリー犬2匹、鶏3種60羽も飼う。動物たちとの優しい時間が流れていた。そしてこの物語には続きがある。ヒントは筆者の飼う愛馬ハナの品種「どさんこ」に関係する話。それはまたいずれの機会に。

<今回は名寄新聞の2021年11月9日付掲載記事を基に再構成しました>