柔軟な思考、広い視野を 名寄市立大学で卒業証書・学位記授与式

【名寄】

答辞を述べた島野沙絵香さん

名寄市立大学(野村陽子学長)の2023年度卒業証書・学位記授与式が、19日午前10時半から同大学3号館体育館で行われた。卒業生189人はコロナ禍が始まった20年度の入学で、思うような学生生活を送れなかった時期もあるが、式ではさまざまな思い出を振り返りながら、通い慣れた学び舎を後にした。
コロナ禍が明けて、4年ぶりに保護者を迎えての実施となり、栄養学科42人、看護学科46人、社会福祉学科51人、社会保育学科50人の合計189人が卒業の日を迎えた。
式では、野村学長から各学科の卒業生代表に卒業証書と学位記が贈られた。
野村学長が式辞を述べ、「入学式翌日からコロナ対策のため大学に入れず、友達と会えないままの入学となった。最初の2年間はサークル活動ができず、制約されながら学生生活を送った。4年間で変化したこと、感じたことを大切にして、卒業後もいろいろな場で役立ててほしい」。
同大学の理念「ケアの未来をひらく」に触れながら「ケアの専門として技術、知識、態度を身に付け、社会から期待される専門職となってほしい。医療、福祉を支える重要な役割を果たすことになるが、人材不足や倫理的課題など厳しい職場環境でもある。柔軟な思考、広い視野、自分なりの目標を持って、一歩一歩達成してほしい」と呼びかけた。
来賓を代表して加藤剛士市長が祝辞を寄せた。
在学生代表の大浦楓菜さん(社会福祉学科2年)が「皆さんが探究する姿は私たちの目標、憧れだった。卒業してそれぞれの道へ進み、思いがけない困難が待ち受けているかもしれないが、4年間培ってきた絆や力もあり、今まで歩んできたことに誇りと自信を持ってほしい。これからの活躍を期待したい」と送辞。
卒業生代表の島野沙絵香さん(社会保育学科)は「入学した日が昨日のように思い出される。コロナの影響がある中で大学生活が始まり、始めの数カ月は不安や孤独も感じた。先生方や事務局の方、家族、友人の支えがあって卒業の日を迎えられ、感謝の気持ちでいっぱい。私は5年ほど社会人として保育の現場で働いてきたが、保育士資格を持って働きたい―と思い入学。最初は遠回りに思ったが、今は近道になった。学んできた知識や経験をもとに垣根を越えて協力し合い、課題に立ち向かい、さらに努力することを決意したい」と答辞を述べた。
式終了後、学科ごとで一人一人に卒業証書などが贈られ、仲間や後輩たちとの別れを惜しみながら、思い出の詰まった学び舎を後にした。