深名線・添牛内駅 駅名標や当時の写真も 開放イベントに鉄道ファン

旧JR深名線・添牛内駅の開放イベント「添牛内駅に遊びにきませんか?」が23日、同駅で開かれ、地域住民や元住民、鉄道ファンらが集まり、和やかなひとときを過ごした。
同駅は1931(昭和6)年9月15日、雨竜線の幌加内~添牛内間が開業したことに伴い開設。41年10月10日に深川~名寄間が全線開業し、深名線となった。国鉄合理化の影響により、82年3月29日に貨物と荷物の取り扱いを廃止すると同時に無人化。95(平成7)年9月4日に深名線が廃止、バス転換された。
開設当時からの木造駅舎が残っているが、老朽化による損傷が著しかったため、添牛内駅保存会(山本昭仁会長)が2022年7月から駅舎修繕の資金造成でクラウドファンディングを行い、同年10月末に修繕作業を完了。これまでに多くの鉄道ファンが足を運んでいる。
駅舎を訪れる人たちへの感謝と、添牛内駅のファンに集ってもらえるように―と同保存会が主催し、昨年から「添牛内駅に遊びにきませんか?」イベントを開催し、今年で2回目となった。
当日は駅舎内や構内を開放。地域住民をはじめ、元住民、鉄道ファンなどが訪れ、にぎわいを見せた。
来場者には、記念土産として駅名看板をモチーフとしたクッキーをプレゼントし、喜ばれた。
木造駅舎には駅名標や看板を掲示。記念のスタンプや日付入り入場券も用意した。
当時の写真展示やアルバム、深名線の関連書籍、添牛内地区の関連資料とともに、昨年9月28日に愛別町から寄贈され、同駅で使用されていた切符保管箱を披露し、訪れた人たちはじっくりと見入っていた。
駅舎前の花壇にさまざまな花苗を植えた他、木造駅舎の維持のために募金への協力を呼びかけた。
山本会長は「皆さんに集まってもらえる場所にしていきたい。昔の面影を残し、できるところから当時の駅舎に戻していくため、皆さんと一緒に取り組むことができればうれしい」などと語っていた。