環境保全活動などに尽力「森を守り緑に親しむ功労者」 トロッコ王国美深、北海道社会貢献賞を受ける

【美深】

受賞を報告した橋本理事長(中)、草野町長(左)、喜多室長

NPO法人トロッコ王国美深(橋本秀昭理事長)は、林業関係の「森を守り緑に親しむ功労者」として北海道社会貢献賞を受けた。トロッコ乗車体験をはじめ、松山湿原など仁宇布地区の環境保全活動などに取り組んでいることが認められたもので、橋本理事長が21日午後3時に美深町役場を訪れ、受賞を報告した。
トロッコ王国美深は、有志たちが旧国鉄美幸線(1985年9月廃止)を活用した地域おこしを―と軌道用自転車の払い下げも受け、98年7月に開国。2004年3月にNPO法人となり、初代理事長は蓮沼優裕さんが務めた。
林業関係の「森を守り緑に親しむ功労者」は、長年にわたって緑化の推進や指導、森林の環境教育、保全などに尽力、貢献した個人や団体に贈られるもので、本年度は同王国を含めて3個人6団体が受賞した。
仁宇布地区で自然や鉄道文化の触れ合いの場として全国の人たちに提供し、まちづくり推進に寄与。同地区の森林を活用した教育や環境保全活動に尽力している。
北海道自然環境保全地域指定の松山湿原や16カ所の滝、仁宇布の冷水などを活用し、町内外の幅広い年齢層に森林の役割についてガイドを実施。松山湿原の登山ルートなどの巡視、自主的な清掃や保全管理、美幸線の森林内の軌道を活用したトロッコ乗車体験による観光振興が認められ、今回の北海道社会貢献賞となった。
橋本理事長が町役場を訪れ、草野孝治町長、喜多紀章上川総合振興局北部森林室長らに受賞を報告した。
橋本理事長は「トロッコ体験で沿線のシラカバ林を生かし『走る森林浴』をうたっている。町から依頼を受けて松山湿原、冷水、滝の巡視、環境整備に取り組んでおり、功績が認められたと思う。名誉ある表彰をいただけたのは美深町の皆さんのおかげです」と謝辞を述べた。
コロナ禍で営業期間短縮(20年)や入国者減少もあったが、今年の入国者は1万145人を数え、4年ぶりに1万人台を回復。「自然に親しむお客さんが来ていただいた。トロッコだけではなく、松山湿原に行く人も多い」と話す。
今後に向けて、同王国の駅舎付近で「あずまや」整備などを予定しており、「さらに環境整備に努めて、観光客を仁宇布の森に呼び込み続けていきたい」と語った。
草野町長は「全国をはじめ、海外からの入国者もおり、まちづくりに大きく寄与したことが認められたと思う。観光マネジメント事業として松山湿原一帯の環境保全管理に取り組まれ、感謝している」。
喜多室長は「美深町内では5件目の『森を守り緑に親しむ功労者』の受賞。トロッコ王国の取り組みを通して、多くの観光客を呼び込み、広く周知されており、うれしく思う」と祝いの言葉を寄せた。