産官連携で人手不足に対応 名寄市 人材確保へ組織設置 各業界代表者が意見交換

【名寄】

市内の各業界代表者などが顔をそろえて
初めて開かれた人材確保対策会議

産官連携で人手不足問題に対応していくための名寄市人材確保対策会議が、26日午前10時から「よろーな」で開かれた。市をはじめ、市内の各業界の代表者などが出席し、名寄市人材確保対策協議会(仮称)を設立することに決めた。
同会議は、名寄商工会議所(藤田健慈会頭)から昨年、人材不足への対応が喫緊の課題となっているため、各業界の代表者による意見交換、情報共有などを行い、課題解決に向けた取り組みを進めたい―と市に提案があり、初めて開催したもの。
開会で加藤剛士市長は「求人数が求職者数を上回る状況が続いており、人材不足が大きな課題となっている。各業界の実情などを聞きながら、人材確保のための協議会の設立を通して一丸となって効果的な施策の展開に努めたい」と挨拶した。
オブザーバーとして出席した名寄公共職業安定所の乙部一隆所長が、若年層を中心とした就職に対する考え方で、安定した給与や勤務時間、休み、働きやすい職場環境など重要視しているとした他、「いろんな職種につくことをキャリアアップとも考えており、転職に抵抗がない若者が増えている。このため、定着型思考の企業と働きたい側のニーズに乖離がある。ニーズに合った働き方が必要」などと訴えた。
意見交換では、出席した各業界の代表者から、条件や職場環境充実などで企業努力はしているものの、若年層人材の確保が難しいことに伴って従業員が高齢化している現状や、人材不足によるそれぞれの職種で抱える問題点などが示された。
また、福祉業界の代表者から、介護分野で外国人材を有効に活用している事例が報告された他、名寄市立大学の卒業生の地元定着に向けた取り組みを強化してほしいとする声も出された。
労働力確保や人材育成、雇用情勢の調査研究に取り組む同協議会の設置では、人口減少や少子高齢化などに伴う人手不足の課題に取り組むため、産官連携による多様な人材を受け入れるための環境整備、若年層や求職者の人材育成を目的に、設立することを確認した。
今後のスケジュールでは、市が2年に1回実施している労働力実態調査と、中高生と大学生向けに初めて実施するアンケート調査の結果を分析し、10月に開催する同協議会の会議で情報を共有するとともに、意見交換、勉強会を重ねて目的達成に向けて必要な事業を展開していくことに決めた。
また、協議会の会長は加藤市長が務める。