元稚内地方柔道連盟会長で現在は最高顧問を務めている菅原清治さん(87)が難関とされる「講道館8段」に認定された。稚内市での8段は歴代初で、菅原さんは「大変光栄。柔道に関わることが出来て良かった。少子化などで競技人口が減る中だが、今後の柔道界の発展に期待しています」などと述べた。
8段は2年に1回の審査で、稚内地方柔道連盟が旭川柔道連盟、北海道柔道連盟を通じて講道館に申請。4月末の講道館最高審議会で菅原さんのこれまでの功績などが評価され、8段に認定された。今年は全国で8段の昇段者が68人。市内では菅原さんが8段に昇段したことで、7段が3人となっている。
菅原さんは稚内出身で、当時近所に高等女学校があり、のちに男女共学となったことで体育館では柔道の稽古が始まった。中学生の頃に見学に行き、初めて柔道に触れた。70年ほど前は現在のようにスポーツの種類が多くはなく、柔道も浸透し始めたばかり。菅原さんは「全員が同じスタートライン。柔道が魅力的と感じた」と稽古に励んだという。
柔道に打ち込み、高校生で初段を取得してからは着実に昇段。警察署の柔道場を練習場所とし、腕っぷしの警察官と技を交えたことも。「色んな方々と繋がりが出来ました」と振り返る。
高校卒業後には、母校の稚内高校柔道部や米軍キャンプ地で指導に当たるなど選手と両立。当時、市内には柔道スポーツ少年団が4団体あり、菅原さんは北部少年団で指導者を務め、子ども達の育成に尽力。現在は少子化の影響やスポーツの種類が増えたことで、柔道少年団も1団体となったが、菅原さんは「寂しさはあるが、日本古来から伝わる柔道の発展を願う」と。
1998年から2011年まで稚内地方柔道連盟会長、12年から名誉会長、19年から最高顧問を務める。菅原畜品㈱会長。
稚内地方柔道連盟は今年で創立70周年。菅原さんの8段認定は大きな節目に華を添え、同連盟の三上雅人理事長は「連盟の基礎をつくり、長年にわたり後進育成へご指導を頂いた。ご功労に大変感謝です」と述べた。(梅津眞二)
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