稚内市地方卸売市場の新年初競りは6日、同市場で久しぶりに鮮魚が揃う中で行われた。5日午前0時頃に出漁した底びき全船5隻はタラなど3457箱を上場。場内には大きなタラが入った魚箱がずらりと並んだ。関係者は久しぶりの鮮魚を前に、新春らしい笑顔で威勢良く3本締め。競りが始まると掛け声が場内に響いた。
工藤広市長(市場開設者)は、買受人を前に「今日は生魚を目の前にして皆さんと顔を合わせることができた。5隻体制となり大変心配していたが、水揚げは21億円を超えた。今年も1年を通し大漁、安定した魚価であることを願っております」と新年の挨拶。
卸売業者を代表し、風無成一稚内機船漁協組合長は、今年の初競りは生魚を買って頂けるようになった。ようやく経済が回り魚価に反映されてきたなどと昨年の漁獲を紹介し、「我々は消費者に安全な天然の魚を届けるのが使命。加工、流通、運送など裾野の広い産業と自負している。今年も1年頑張って操業したい」などと話した。
中陳憲一買受人組合長が「魚の付加価値を高めて、5円でも10円でも高く買える状況にしたい。厳しい環境ですが難局を乗り越えたい」と呼びかけると、南和幸市場部長の音頭で威勢良く3本締めを行い、市場を新春らしく活気づけた。
シケの影響で、ここ数年は冷凍物が続いていた初競りは、スケソのバラ18㌧、箱物はタラが3349箱など合わせて3457箱の上場。市場にずらりと鮮魚が揃い、買受人達が競り落とす掛け声も大きく響き活気付いた。
㈱小林商店の小林泰弘代表取締役社長は「やっぱり初競りに鮮魚が並ぶのは良いね。良い出だしになった」と笑顔を見せていた。(塚本岳人)
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