稚内市地方卸売市場・初競りで無事故と大漁願う

稚内市地方卸売市場の新年初競りは6日、同市場で行われた。底びき各船はシケで出漁が遅れ、鮮魚の上場がなく、競りはボタンエビなどの冷凍物。それでも関係者が顔を揃えて、新春に相応しく三本締めの威勢良い掛け声を場内に響かせた。
工藤広市長(市場開設者)は「こうして関係者と元気に顔を合わせることができ、感謝しています。買受人の皆さんは稚内の魚の付加価値を高め、魅力を全国へ届けてもらえれば。今年も事故が無く、大漁で安定した魚価を祈念しております」と新年の挨拶。
卸売業者を代表し、黒川明康稚内機船漁協組合長は、昨1年間の底びき船は前半は順調な水揚げだったが、後半はシケが続き伸びなかったなどとし「今年は天候にも恵まれて、出漁回数が増える1年であってほしいと願う。底びき網漁業は消費者まで安全な魚を供給。加工、流通、運送等を含めると裾野が広い産業。老朽化が進む沖底船は喫緊の課題だが、現在の5隻体制は死守する」と話した。
中陳憲一買受人組合長が「船、加工屋、消費者が三方両得となるよう乗り切っていきましょう」と呼びかけると、南和幸市場部長の音頭で威勢良く3本締めし、活気づいた。
初競りはボタンエビなどの冷凍物だったが、買受人達の掛け声が響いた。

(塚本岳人)