稚内市役所新庁舎の開庁セレモニーが13日、新庁舎で行われ、関係者や設計・施工に関わった工事業者、来賓、一般市民など約100人が出席し、建物の完成や開庁を温かく祝った。14日から業務を開始し、各部署の窓口ではさっそく市民が手続きなどで利用。「市民の安全・安心を支え、誰もが親しみの持てる庁舎」を目指し、行政機関として本来の機能や防災、市民交流を促進するスペースなどを確保し、まちづくりの拠点の役割を果たしていく。
セレモニーでは、建物が出来上がっていく経過や新庁舎のコンセプトなどを紹介するオープニングムービー放映のあと、工藤広市長が「新庁舎では窓口サービス以外にも防災、交流機能を充実させ、誰もが親しみを感じ、気軽に立ち寄れるよう配慮した市民利用スペースは初の取り組みで多くの方に利用して頂きたい。世代を超えて市民と共に歩み、市政運営の拠点であり続けることや、職員と共に更なる市民サービスの充実、このまちの発展に努力し続けることが求められている最大の役割」。市議会を代表し吉田孝史議長が「新たな議場はオープンスペースの中にある。身近な議会を目指す中で単なる議事機関から1歩踏み出し、主体性を持った意識が求められ責任の重さを感じている。真正面から議論する活発な議会にしていきたい」と挨拶。
新庁舎の各種機能などの説明に続き、来賓の武部新衆議、川原田英世衆議、吉田正人道議が祝辞。設計・施工業者16社に感謝状贈呈のあと、工藤市長や吉田議長、庁舎建設検討委員会の委員長を務めた瀬戸口剛氏(北大理事・副学長)、市内の中高生合わせて9人がテープカットした。
終了後は新庁舎の市民見学会を開き、一般市民など225人が参加。普段は入ることが出来ない市長室をはじめ、執務室や議場などの各種機能の説明を工藤市長や職員から受けた。家族で訪れた市内会社員の鈴木洋輔さん(37)は「建物も綺麗で手続きがしやすく、利便性も良さそう。積極的に利用したいですね」と話していた。
14日から通常業務が始まり、1階の窓口には保健福祉センターに入っていた一部機能が移転し、市民生活に係る様々な手続きが可能に。戸籍謄本の取得で訪れた市内の70代女性は「1階でほとんどの申請や手続きが完結するので、とても便利になった」と話した。
旧庁舎は解体する計画で、早ければ年末か年明け頃に着手。来年の夏頃に完了させ、跡地は駐車場のほか、前庭部分は植樹などで市民が集える緑豊かな広場に整備する。(梅津眞二)


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