稚内市樺岡にデータセンター建設へ 風力発電所直結は国内初 豊田通商とユーラス社

記者会見した水川部長、諏訪部社長、工藤市長、
松林部門長(左から)

 豊田通商㈱と㈱ユーラスエナジーホールディングスでは、稚内市樺岡地区でデータセンターの建設を計画する。樺岡ウインドファームに隣接させ、風力発電所直結による「生グリーン電力」でのデータセンターは国内初の事例となる。14日に稚内市とNTTドコモビジネス㈱を含む4者が合同で会見し、詳細を明らかにした。稚内市はデータセンターの誘致を積極的に進めてきた経緯もあり、工藤広市長は「未来のデジタル社会を支える新たな拠点」などと展望を語った。
工藤市長は誘致に係る優位性の1つに稚内市の冷涼な気候を挙げ「データセンター最大の課題の冷却コストを大幅に抑制し、必要な電力使用量を抑えられる」と。また、広大な土地や安定した地盤などの地理的特性、気象庁が観測開始してから85年間で震度4以上の地震発生は無く、災害リスクを回避する面でも優れ、豊かな再生可能エネルギー資源があることを利点とし「ユーラスエナジーホールディングスが長年事業を展開し、安定的な風力発電を基盤としたグリーンエネルギーの供給ポテンシャルを十分に有し、豊富な再生エネルギーの活用でデータセンターの実現が可能になった」と述べた。
地域経済への波及では「建設、運営による雇用創出や保守、警備、エネルギー、通信関連の幅広い分野で効果が期待される」とした。
続いて、ユーラスエナジーホールディングスの諏訪部哲也代表取締役社長、豊田通商デジタルソリューション本部エンタープライズIT事業部の水川和巳部長が計画の概要を説明。道北地域では電力需要が少なく、十分な送電網が整備されていない中で、大規模な電力需要が見込まれるデータセンター事業で電力の地産地消を目指す。施設はコンテナ型データセンターで敷地面積9千900㎡、1階建て耐震構造で今年4月に着工し、2027年中の稼働を目指す。
豊田通商は営業やデータセンター・IT設備の運営。ユーラスエナジーホールディングスは土地、建屋、電力設備の運営を担う。風力発電所直結型のデータセンターを「宗谷グリーンデータセンターⅠ(仮称)」とし、将来的な展望で30年以降に道北地域でデータセンターの拡張などを進めていきたいとした。
NTTドコモビジネスのプラットフォームサービス部門クラウド&ネットワークサービス部第2サービス部門の松林修部門長は、データ通信の遅延解消を図る新たな通信技術のIOWN(アイオン)や分散型データセンターの重要性を説明した。
 データセンターは国内では主に東京や大阪などの都市部に集中。生成AIの普及・拡大で扱われるデータ量が莫大に増え、需要が大きい。地方への分散型データセンターの実現に繋げたいとしている。(梅津眞二)

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