街中での演舞を初企画 風連獅子舞 「多くの人に見て知ってほしい」 下多寄神社祭典の6日 加速する担い手不足「伝統守りたい」

【名寄】

 100年以上の伝統を誇る風連獅子舞が、下多寄神社本祭りの6日、同神社境内で奉納される他、今年は名寄市風連特別養護老人ホームしらかばハイツや、本町イベント広場(三喜屋洋品店前)などで披露される。風連獅子舞保存会(山口裕司会長)では、今後さらに加速する担い手不足という現状を受け、風連地区全体で伝統文化を守っていきたい―という思いを持ち活動。若連中の部長を務める筒井聖紀さんは「地域から外に出て、より多くの人に見てもらい、獅子舞という伝統文化を知ってもらいたい」と語る。
風連獅子舞は、風連下多寄地区を中心に1908年(明治41年)から今年で116年の伝統を誇り、名寄市の文化財第1号にも指定。
 下多寄地区は03年頃から富山県人の移住者が多く、08年当時に下多寄神社を創建することとなった際、神社の新築を記念して、郷里富山県の獅子舞を奉納したことが始まり。この芸術的文化的価値のある獅子舞を、永久に保存するため、61年3月に獅子舞部を解散し、あらためて獅子舞保存会を設立。
 現在も下多寄神社祭典(9月6日)に境内で奉納。同保存会によると、獅子舞は獅子頭1人とユタン(胴体)に入る若連中10人の計11人で息のあった舞を行うという。一方、獅子を倒す獅子捕(ししとり)は子どもたち(小学1年~中学3年)が務める他、鳴り物の笛(5人)、鐘(1人)、太鼓(1人)のはやしが加わり、全長約5mの大きな獅子が勇ましく躍動する。
 今年も神社祭典に向け、8月20日から瑞生コミュニティセンターを拠点に、仕事や学校を終えてから練習に汗を流している。
 しかし、2019年3月には、下多寄小が風連中央小と統合するなど、獅子捕を担う子どもたちも減少。同保存会によると、現在は4人いる獅子捕だが、来年は1人が中学を卒業して3人に。また、3年後は1人のみとなってしまう見通しだという。
 筒井さんは「昨年は若連中も含め、担い手の確保に奔走したが、理解を得ることが難しかった。地域の伝統文化を次の世代へと末永く引き継いでいくためにも、来年以降は風連地区全体で行っていくことができれば―と考えている。そのためにもまずは、一人でも多くの人に獅子舞を知ってもらいたい」と、今年初めて下多寄地区を飛び出し、街中などで獅子舞が舞うこととなった。
 同保存会によると、6日は下多寄神社で午後2時ごろから風連獅子舞を奉納。その後、同4時ごろにしらかばハイツ、本町イベント広場前などを訪れる計画。

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