稚内署では、11月28日に稚内市で発生した建造物侵入・窃盗事件で、地域課の警察官4人が雪の上に残った犯人の足跡を辿り、連携した捜査で逮捕に至った。犯人の身柄を確保したのは、稚内市出身の工藤宥佳巡査(20)で「こういった逮捕をするのは初めて。嬉しい気持ちと達成感があります」と振り返り、新人警察官が手柄を立てた。
この事件は、市内萩見2の建設会社事務所で犯人の男が裏口からガラスを割って侵入し、現金を奪った。犯人は自ら通報するよう求めて事務所内にいたが、藤崎悠巡査部長(34)と西村哲平巡査長(30)が現場に到着する前に隙を見計らって窓から逃走。
道路のアスファルトには雪が積もり、新雪の状態。連絡を受けた佐藤英章巡査部長(48)と工藤巡査が先回りして捜査。パトカーで発見した瞬間に犯人が走って逃げたが、助手席に乗っていた工藤巡査が20~30㍍ほど走り、民家の敷地内で取り押さえた。
事件を振り返り、工藤巡査は「緊張とか色々とあったけど、絶対に捕まえる気持ちだった」と。上司の佐藤巡査部長は「(工藤巡査は)常に先回りして考えて準備することに努めていると思う。心構えができているので、すぐ行動に移せたと思う」と話した。
工藤巡査は、東小、東中、稚内高校、今年1月に北海道警察学校を卒業し、稚内署に配属され中央交番で勤務。小さい頃に見たテレビ番組の警察24時で女性警察官に憧れを抱き、警察の道に進むことを決意。「生まれ育った稚内が初めての配属先で、恩返しも兼ねて地域住民の人が安心して暮らせるように活動していきたい」と意気込む。
(千葉大輝)