販売取扱高は過去最高101.4億円 道北なよろ農協通常総代会、当期剰余金1億3043万円 猛暑の影響受けた品目も、スイートコーンは最高単価

【名寄】

事業を振り返りながら挨拶する村上組合長

道北なよろ農協(村上清組合長)の第19回通常総代会が、12日午前9時半からエンレイホールで開かれた。2023年度の事業報告で、猛暑の影響を受けた品目もあったが、もち米は平年作を上回った。青果物はグリーンアスパラが高規格中心、スイートコーンは過去最高の販売単価。酪農畜産は厳しい生産環境だが、酪農家の飼養管理で取扱数量は増加。総体の販売取扱高は101億4110万円となり、合併以来の過去最高額を更新した。当期剰余金は1億3043万円を計上した。
 開会で村上組合長は23年度事業を振り返るとともに「国際紛争や円安の影響から肥料、飼料、燃料などの生産資材が高止まりし、農家経済に大きな影響。第5次地域農業振興計画・中期経営改革の初年度で、経営所得安定対策、担い手支援、労働力確保対策など多くの事業を推進。生産コストが高止まり、需給バランスが崩れる厳しい農業情勢だが、消費拡大運動へ皆さんの協力をいただきながら推進したい」と挨拶。
23年度の事業報告では、春先から平年並みの天候に恵まれ、おおむね順調に推移したが、夏場は猛暑による記録的な高温多湿の影響を受け、作物全般で前進栽培となり、品目によっては収量や品質の低下を招いた。
主力のもち米は倒伏などにより収穫作業に苦労したが、平均反収(10aあたり収量)は9.8俵(1俵60kg)となり、大豊作だった22年度の10.7俵からは下回るが、平年作は上回っており、取扱数量は30万8220俵となった。
畑作物は猛暑の影響を受け、国産需要が高まっている大豆は中粒と品質低下となり、平均反収3.5俵と減収に。テンサイも過去にない低糖度となった。農産物全体の取扱高は52億9939万円で計画比111.9%の実績となった。
青果物は春先の安定した天候で順調に生育が進み、グリーンアスパラは高規格中心に。その他の品目は猛暑の影響で品質低下が見受けられ減収となったが、販売先との有利販売に努めた結果、安定した価格を保持でき、特に主要作物のスイートコーンは過去最高の販売単価となった。青果物全体の取扱高は25億1891万円で計画比104.9%。
酪農畜産は引き続き飼料価格の高騰による飼養管理費の増加と個体価格の低迷、生乳の需給調整などにより、さらに厳しい生産環境となったが、酪農家の飼養管理の努力により、取扱数量は増加し、酪農畜産物全体の取扱高は23億2279万円で計画比115.9%となった。
総体の販売取扱高は101億4110万円となり、05年の名寄・風連・智恵文の3農協合併以来、過去最高額を更新。計画比で110.9%、前年実績比では100.7%となった。
事業利益は1億2840万円、当期剰余金は1億3043万円を計上した。
24年度の事業計画では、激変する社会情勢への対応を見極めながら、将来の地域農業を見据え、安心して営農を継続できるよう、農業所得の維持向上と加速するデジタル化に即応するため、スマート農業のさらなる推進やICTを活用した生産現場の課題解決など、各種事業の構築を目指す。
世界情勢の影響による需給バランスの変化と国の農業政策の転換により、これまで規模拡大を推進してきた生乳生産計画、各種農畜産物の生産継続が不安視される中、地域農業の実情を踏まえながら、さらなるブランドの確立と特性を生かした販売に尽力する。
販売事業計画の取扱高は93億5860万円を見込む。