愛馬ハナは春が近づくと、大量の冬毛が抜け始める。ブラシでこするとたくさんの毛がくっつき、これでフェルト細工ができるのではないか―と思うほどだ。
筆者がハナのブラッシングをしていると、カラスが集まって来る。お目当ては抜けた冬毛だ。
筆者とハナがその場を離れた後、カラスは落ちている冬毛を広い集め、巣の材料に持ち帰る。
馬は増え過ぎる草を食べ、エネルギー(動力)に変え、糞を出す。糞は良質なたい肥や、他の生き物の餌になる。そして抜け落ちた馬の毛さえも、鳥たちに活用される。
抜け落ちた毛はわずかな時間で、鳥がきれいに片付けてくれる。自然の循環は、なんと無駄なくできているのだろう。
馬といると日々、循環を実感する。
<今回は名寄新聞の2020年4月29日付掲載記事を基に再構成しました>