オホーツク海100km乗馬旅―後編―海と馬、人に出会うハナの冒険

 愛馬ハナに乗って、自転車に乗る妻と共に、下川町からオホーツク海まで往復100kmの乗馬旅。2日目の9月27日夕方には、興部町のノースプレインファームに到着した。
 牧場の宿に移動し、そこで放牧されている馬・秋悠(シュウユウ)とハナが初対面。2頭は同じ北海道和種(ドサンコ)という馬で、鼻を付け合って挨拶し、すっかり仲良しになった。秋悠はハナが出掛けるたび、寂しがって呼び続けた。
 28日は秋悠とハナの2頭で乗馬散歩を楽しんだ後、ハナと妻と共にオホーツク海へ出発。砂浜をハナと歩き、海に近づいて眺めた。ハナは初めて見る海に興味を持つ一方、足元まで迫りくる波に驚いていた。興部町滞在中は牧場の親しいご家族、スタッフのおかげで、充実した時間になった。
 29日の午前に興部町を出発して5時間後、再び上興部のゲストハウス「GA.KOPPER(ガコッパー)」へ。到着後には地元の小学生や中学生、住民、通行中だった方々が集まり、ハナと乗馬や餌あげ、ひき馬などで触れ合い、楽しんでいただいた。
 30日は旅立つ前に、ゲストハウスのお子さんから、ハナを描いたすてきなイラストカードをいただいた。筆者の弟が利用する上興部の施設にもハナや妻と立ち寄り、短い時間だったが弟や施設の方とも交流。無事、下川町一の橋地区に到着し、10月2日には、ハナの放牧拠点「美桑が丘」(下川町南町)に戻った。
 旅の道中、友人や知人、各地の住民、道行く旅の方々が、声をかけてくださり、励まされた。馬がいることでいくつもの出会いがあり、交流も生まれた。
 行きは筆者自身の体力や時間の消耗も多く、それがハナへの負荷にもなったと思うが、帰りは長距離移動の乗り方に慣れ、疲れた体でもハナや自分の負荷を減らして乗ることができ、移動と休憩のメリハリも持たせながら、効果的に移動できた。
 それでもハナの後ろ右脚の蹄底の前部分が削れ、限界ぎりぎりの長距離移動だったと感じる。
 今回の旅では、改めて乗馬移動の楽しさを実感。じっくり移動するからこそ、見えてくる、味わえる楽しさがある。
 筆者を乗せて移動するハナも、誇らしげな表情を見せる。
 ハナや妻、関わったさまざまな方々に感謝の気持ちでいっぱいだ。

初めての海を眺めるハナ
興部町で出会った馬の秋悠(左)と挨拶するハナ
帰路を進む筆者を乗せたハナと自転車の妻
再びゲストハウスに。
秋悠とハナの乗馬散歩
海を眺めるハナ

<2024年10月26日付名寄新聞掲載の記事を基に再構成しました>