SL排雪列車「キマロキ」 黒光りの雄姿が冬眠 冬囲いシート掛け作業

【名寄】

ブルーシートで覆われていった「キマロキ」

SL排雪列車「キマロキ」の冬囲いシート掛け作業が、25、26の両日、名寄市北国博物館北側(JR名寄本線跡)で行われ、「黒光りの雄姿」が長い冬眠に入った。
「キマロキ」は、先頭から9600型蒸気機関車、かき寄せ式排雪のマックレー車、回転式排雪のロータリー車、D51型蒸気機関車、車掌車で編成し、全長75m。各車両の頭文字を取って「キマロキ」となる。
1975年のSL引退後、76年から名寄公園、93年から現在地で展示保存。2010年にJR北海道の準鉄道記念物に指定。「キマロキ」編成で保存されているのは国内でも名寄だけで、毎年4月下旬から10月下旬まで公開されている。
今年は、例年より早めの4月17日から公開をスタート。名寄SL排雪列車(キマロキ)保存会(中田一良会長)が維持、管理を担い、日曜日と祝日は会員たちが説明に当たる一方、全国各地から多くの鉄道ファンが訪れた。
5月11日から6月2日まで毎週土・日曜日の「花たびそうや」、9月14日から29日まで毎週土・日曜日の「ロイヤルエクスプレス」が通過する際、汽笛を鳴らして歓迎。「花たびそうや」から下車して「キマロキ」を見学する人もいた。
排雪列車は本来、冬場に活躍しているものだが、「キマロキ」は風雪に伴う劣化や傷みから車体を守り、良好な保存状態を持続させるため、降雪前に冬囲いのシート掛け作業を行っている。
作業は、所管の北国博物館から業者に委託して実施。同保存会員たちが現場に立ち会い、指導した。
ブルーシートを張りやすくするため、機関車など凹凸の多い車両には周囲に鉄パイプで骨組みを施した。
その後、車両全体にわたってブルーシートを二重に覆いかぶせるとともに、風で飛ばされないよう頑丈にロープを張って固定。「キマロキ」は来春まで長い冬眠に入った。
冬の到来が間近に迫る中、全国の鉄道ファンに愛されている「黒光りの雄姿」をいつまでも良好な保存状態で残していこう―と、冬の風雪や厳しい寒さから車体を守るために、念入りに作業へ励んでいた。

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