【美深】
美深町生まれ、旭川市在住の墨絵詩書家、ル・サロン会員、サロン・ドトーヌ会員の小林白炎(本名・裕幸)さん(55)は、フランスの国際公募美術展「ル・サロン2026」に「陽光(白虎)」を出展し、9年連続11度目の入選。今後は書の作品で入選を目指しており、「世界で書道の文化が認められ、他の書道家にも夢をもってもらえれば」と語る。
小林さんは1969年11月24日、美深町の生まれ。名寄高校を卒業後、名寄駅前や風連など上川管内の郵便局で勤務。幾寅郵便局(南富良野町)で局長を務めていた2009年、気軽に訪れやすい窓口を―と特技の書道を生かし、墨絵詩書を描き始めた。12年2月に郵便局を退職し、墨絵詩書家として創作活動を本格化させた。
18年5月にル・サロン会員、今年6月にはサロン・ドトーヌ会員に推挙。また、今年の「ル・サロン2025」に出展した「好日」で初めて奨励賞を受賞。
今回は、墨絵作品の「陽光(白虎)」と書の作品「無(悟り)」の2点を出展。「陽光(白虎)」が入選となった。
「陽光(白虎)」は、24年の「サロン・ドトーヌ」で入選した「月光(白虎)」とセットで、「サロン・ドトーヌ」の前衛的な作風と「ル・サロン」の正統派の作風を考慮しながら「月と太陽で入選できたことに意義がある。白虎=びゃっこ=が暗い中でも月の光を受けながら生きる様子、太陽の光を浴びて希望に向かって生きる様子を描いた」。
また「白虎」は中国の神話に由来する「四神」の一つで、他の「玄武=げんぶ=」を描いた作品は15年、「朱雀=すざく=」は19年、「青龍=せいりゅう=」は24年の「ル・サロン」でそれぞれ入選しており、「『四神』全部が入選できたので、安堵(あんど)している」と語る。
書の作品「無(悟り)」は選外となったが、「新たなチャレンジとして書の作品を出展した。本当は書で入選してほしい―と思っていたので、次は書で入選したい。『ル・サロン』は2点まで送ることができるので、書と墨絵で挑戦し、両方で入選すれば世界で初めてのことになると思う」。
また「最近は書道の文化が低迷しつつあると感じる。世界で書道が認められれば、他の書道家たちに夢を見てもらうことができるはず」と願っている。
書の作品に力を入れていきながら「今後も精力的に制作活動に取り組み、さらなる高みを目指したい。次の世代に日本の書道文化を伝えることができれば」と意気込んでいる。
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