名寄 「キツネにつままれたよう」 レンガえんとつのチムニーさん けんぶち絵本の里大賞でアルパカ賞

【名寄】

アルパカ賞に輝いた絵本
「レンガえんとつのチムニーさん」

 「第35回けんぶち絵本の里大賞」(主催・けんぶち絵本の里づくり実行委員会)の投票結果が発表され、名寄土管製作所構内に立っていたレンガ煙突を題材に誕生した「レンガえんとつのチムニーさん」(文・まつまえつかさ、絵・かわいえみ)が新人賞となるアルパカ賞に輝いた。剣淵町絵本の館の来館者の投票によって受賞が決まったもので、文を担当した同製作所の松前司さんは「全国から応募のあった作品の中から選ばれるとは、キツネにつままれたような感じ」と語っている。
 絵本のモデルとなったのは、戦後開拓期の農業振興を支えた暗きょ排水用土管を製作するための窯のレンガ煙突(1940年頃製造、高さ24m)。2000年からは、市民有志グループが、クリスマスシーズンにレンガ煙突にサンタ人形を登らせる「レンガ煙突&サンタ」を企画。以来、17年まで名寄の冬を彩るイベントとして続けられ、子どもから大人まで多くの地域住民から親しまれた。
 煙突設置後80年以上が経過し、老朽化が進んだため、18年5月に解体された。
 「構内にあったレンガ煙突とサンタを見たことない子どもたちに知ってもらいたい―と思い、絵本の姿を借りて資料としてお届けできれば」(松前さん)と、イラストレーター・デザイナーの「かわいえみ」さんと共に、2023年7月から絵本製作をスタート。24年12月に完成し、名寄市内の小学校、保育園・幼稚園をはじめ、周辺市町村の教育委員会、図書館に寄贈され、物語は子どもたちの心に届けられた。
 「第35回けんぶち絵本の里大賞」は、1991年にスタート。2024年度中に国内で出版された絵本を対象に募集。応募作品は、8月、9月の2カ月間、剣淵町絵本の館に展示され、来館者の投票によって受賞作品を決定するもので、今年は271作品の応募があった。
 今回の受賞を受け、松前さんは「投票のためには、わざわざ絵本の館まで足を運んでいただかなければならない。私たちの本に興味を持っていただいたのかな―と感謝しています」と喜びを語っている。
 なお、入賞者授賞式は、来年2月14日に剣淵町絵本の館で行われる。

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