夢への経験・出会いは宝物 人間力磨いた下川の一貫教育 下川町出身 スキージャンプ・伊藤有希選手 4度目の五輪、古里への思い語る

下川町出身・伊藤有希選手(土屋ホーム提供)

 下川町出身のスキージャンプ、伊藤有希選手(31)=土屋ホーム=は、2月のミラノ・コルティナオリンピックで、4大会連続五輪出場を果たした。3月にはワールドカップ女子最終戦で優勝し、通算10勝目を挙げた。下川町で生まれ育ち、夢を抱き、世界を舞台に活躍し続け、自分のつらいときも人を思いやる姿に、励まされる町民も多いと感じる。4度目の五輪、そしてシーズンを終えた伊藤選手に、ジャンプや五輪、古里・下川町への思いを聞いた。
 (聞き手・名寄新聞社下川通信局、小峰博之)
 ―4度目の五輪は伊藤選手にとって、どのような時間になりましたか。
 オリンピック中は会場のどこにいても、リフトで登るときも、スタート台からもオレンジのポンチョを着た下川町応援団の皆さまが見えて、とても心強かったです。
 下川町の皆さまと一緒にオリンピックで闘えたこと、そして二階堂選手(下川商業高校出身)のメダル獲得の瞬間を一緒に、応援し喜び合えたことはかけがえのない瞬間でした。
 目指していた金メダルを獲得することはできませんでしたが、メダルだけではない、過去3大会では感じることができなかったことに、気が付けたオリンピックでした。
 ―伊藤選手にとって、ジャンプの魅力はどのようなところにありますか。
 生身の身体とスキーだけで空を飛ぶ、これがジャンプの魅力だと思います。どうしたら遠くへ飛べるか、誰よりも遠くへ飛ぶために成功や失敗を繰り返し、たくさんの方々に出会い教えていただいた経験は宝物です。
 ―下川町や下川商業高校だからこそ得られた、今に生かされている学びはありますか。
 他にはない、幼稚園から高校生までの一貫教育の下川町でスキーを学んだからこそ、競技の技術だけでなく人間としても、先輩から学び後輩へ伝えることを、自然と学べたのだと思います。
 下川商業高校で学んだ礼儀礼節・ビジネス作法は社会に出てすぐに生きることばかりで、高校を卒業し、企業に入社した私の大きな心の支えでした。
 ―下川町への思い、地元の人たちや子どもたちへ伝えたいことなど、地元へのメッセージをお願いします。
 下川町でスキージャンプをはじめ、世界で活躍する先輩方のおかげで、大きな夢を持ち続けることができました。
 今シーズンはプラニツァのフライングヒルを飛ぶという、競技人生最大の夢の一つをかなえることができました。
 この歳になっても必死になって夢に向かい、夢をかなえたスタート台からの景色を見ることができたのは、かけがえのない経験でした。
 夢をかなえる無限の可能性を持った子どもたち、そして今も昔もこれからも、その夢を応援してくださる町民の皆さまに、心から感謝申し上げます。
 ―下川町に帰郷したら、まず、してみたいことはありますか。
 下川のおいしいものを食べて、五味温泉にゆっくりつかりたいです。
 ―伊藤選手は幼い頃から「五輪金メダル」という夢を掲げて頑張ってきたと思います。その中で金メダル級の輝かしいものに気付けたとのことですが、伊藤選手にとっての「夢」はどういう存在だと思いますか。
 最終的に夢がかなうかどうかは、その時の運や周りの状況でどうなるか分かりませんが、その夢をかなえるために過ごした時間、経験は金メダルに等しい価値があるものだと感じました。その時間は楽しいことばかりではなく、つらく苦しい時間の方が長かったかもしれません。
 それでも前に進むことができたのは、大きな夢があったからこそ、夢は人生に彩りと苦難を乗り越える原動力を与えてくれる存在だと思いました。
 ―今後、地元下川で関わってみたいことはありますか。
 スキージャンプはもちろん、スキージャンプ以外の下川町の魅力も多くの方々に知っていただきたいです。
 ―来シーズン以降の目標を聞かせてください。
 来シーズンはスウェーデンで2年に1度の世界選手権が開催されます。持っていない個人の金メダルを目指したいと思います。そしてフライングヒルでのワールドレコードを飛んで世界一になりたいです。

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