【名寄】
市立名寄図書館(安田穣館長)主催の「ビブリオバトル」が、17日午後2時から同館名寄本館で開かれ、塩田桃世さん(名寄市立大学社会福祉学科2年)が発表した「私の男」がチャンプ本に選ばれた。
読書活動推進を目的として、2018年度から毎年開催しており、今回で8回目を迎えた(20年度のみ2回開催)。
本年度から賞品を読書カードからヨロカポイントに変更し、チャンプ本は5千ポイント、参加賞は1千ポイントとなった。
今回は5人が発表に立ち、小説、漫画、法律関係の実用書など、さまざまなジャンルの本の読みどころをアピールした。
観覧者による投票の結果、チャンプ本は「私の男」(桜庭一樹著、文芸春秋)に決まった。
同作品は、第138回直木賞受賞作で、2014年に映画化。あらすじは地震による津波で両親を失い、10歳で孤児となった少女と、彼女を引き取ることになった遠縁の男による禁断の愛の物語となっている。
発表した塩田さんは「前回、チャンプ本に選ばれなかったため、雪辱を晴らす気持ちもあったが、何より大勢の方の前で好きな本について話せることがうれしい」と今回参加したきっかけを話す。
今回発表した本を選んだ理由で「『私の男』には言語化しやすい良さがあった。例えば、作中で父親が娘のためにする行動の一つ一つが、自分の父が自分にもしてくれたことと重なり、父を愛おしく思うきっかけになった。余談だが、さらに父と娘の物語を読みたくて探していたところ、旭川の書店員から『月夜のみみずく』(ヨーレン作、ショーエンヘール絵、工藤直子訳、偕成社)を勧められ、読んだ」。
チャンプ本に選ばれて「本作は公序良俗に反する内容も含まれており、手に取りにくい印象もあるが、投票していただいた方の数だけ自分の思いが伝わった気がして、うれしかった」と語る。
現在読んでいる本や今後読んでみたい本として、作家では桜庭一樹、凪良ゆう。作品では「52ヘルツのクジラたち」(町田その子著、中央公論新社)などで「精神保健福祉士を目指して大学で学んでいることもあり、依存症などをテーマにした作品を読んでみたい」と話す。
好きな作家は一穂ミチ、凪良ゆう。
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