以前(詳細こちら参照)、馬用カンジキに触れたが、続きがある。カンジキの情報を収集していたところ、馬の活動で知り合った方が、わら細工をしていたことから、馬用のワラジを試作してくださった。とてもありがたい。
文献をみると、日本で馬の足に蹄鉄(ていてつ)を履かせるようになったのは、明治時代に入ってからだそうで、家畜化された馬は蹄(ひづめ)が弱くなるため、履かせていたようだ。
江戸時代の在来種の馬は比較的、蹄が強かったため、蹄鉄が普及していなかったが、荷物を運ぶときには、馬の蹄が傷つかないように、馬沓(うまぐつ)と呼ばれるワラジを履かせたらしい。
当時のワラジは、8km程度の距離しかもたず、何度もはき替えていたそう。それでも履かせていたことを思うと、日本人の馬への思いやりを感じる。
試作していただいたワラジを、愛馬ハナに履かせてみた。ハナはカンジキやワラジを突然履かせても、動じることなくはかせてくれる。ワラジを履かせた状態で雪上も歩かせた。いずれ雪氷上も歩かせて、滑り止めになるか試したい。
カンジキとワラジは日本独特の馬文化といえる。
ハナは日本の在来種(北海道和種馬)。放牧しながら野草を食べさせ、丈夫に育てれば、蹄鉄を必要としない。
だが、凍結した冬道は滑るので、遠出が難しい。カンジキとワラジは、在来馬の可能性を広げてくれそう。
<2022年1月17日付名寄新聞掲載の記事を基に再構成しました>