16年の歴史に幕を下ろす 名寄産業高校 伝統、校風を深く心に刻む 在校生や同窓生らに惜しまれ閉校式典

【名寄】

名寄産業高校(八丁正樹校長、生徒32人)の閉校式典が、1日午前10時半から同校体育館で行われた。在校生や教職員、同窓生らに惜しまれながら、16年の歴史に幕を下ろした。
名寄産業高校誕生までの歴史は、2000年4月に旧名寄工業高校と旧名寄恵陵高校が統合し、名寄光凌高校となったことに始まる。その後、09年4月名寄光凌高校と名寄農業高校の統合に伴い、名寄産業高校が誕生した。
酪農科学科、電子機械科、建築システム科、生活文化科の特色ある4学科を有する職業学科集合型高校。旧光凌高校校舎の「光凌キャンパス」をメインに、旧農業高校を酪農科学科生徒が専門科を学ぶ「名農キャンパス」が設けられ、地域産業の将来を担う、数多くの職業人を輩出してきた。
その後、少子化に伴う中学生人口の減少や市外高校への進学者が増加する中、名寄市は、道内高校適正配置の考え方や名寄市内高等学校在り方検討会議の議論を踏まえ、20年、道教委に対し両校の発展的統合を要望。21年道教委は、旧名寄高校と産業高校を統合再編し、新設校を開設する公立高校配置計画案を発表。これに基づき、23年3月31日酪農科学科、機械・建築システム科、生活文化科の募集を停止。同年4月、両校の再編統合により現在の名寄高校が誕生。今年3月末をもって名寄産業高校は閉校となる。
閉校式には生徒、教職員、保護者、同窓生、歴代校長・PTA会長・同窓会長らが出席。
八丁校長が「各学科での学びを通じた活動では、さまざまな大会で優秀な成績を収めた他、歴代受け継がれてきた伝統ある教育活動を着実に実践してきた。いつの時代になっても、どんなに厳しい状況にあっても、本校にはいつも明るい生徒の笑顔を懸命に支え育てようとする教職員の姿、そして本校を見守りご協力いただいた保護者や卒業生、地域の皆さまがいてくださった。これまで生徒を支え育んでいただいた地域の皆さま、ご指導いただいた北海道教育委員会、名寄市、歴代校長先生、旧職員、保護者の皆さまに感謝申し上げたい」と式辞。
来賓を代表し、中島俊明北海道教育委員会教育長、加藤剛士市長が「各学科において、郷土の将来を担う職業人を育成されてきた。これまで育まれてきた伝統と校風は、関係者をはじめ、地域の皆さまの誇りとして心に深く刻まれるとともに、名寄高校に受け継がれていくものと確信している。同窓生の皆さまにおいては、産業高校の名を長くたたえ、その伝統と精神を後世に伝えていっていただきたい。また、最後の卒業生となる皆さん、誇りを胸に希望に満ちた未来を一歩一歩進んでいってもらいたい」などと挨拶。
同校同窓会の橋本貴也会長から、歴代の校長、PTA会長、同窓会長に感謝状が贈呈。
生徒会長の今野陽南さんが「最後の卒業生としての役割と責任を一人一人が自覚し取り組んできた結果、充実した一年を過ごすことができた。私たちを見守り育てていただいた先生方、共に歩んできた仲間たちに感謝申し上げたい。ここで過ごした全ての時間に心から感謝したい」と思いを述べた。
最後に全員で心を込めて校歌を斉唱。名寄産業高校の閉校を惜しんだ。

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