【下川】
2月10、11の2日間、町内中心市街地で開かれる「第50回アイスキャンドルミュージアム」に向けて、アイスキャンドル作りが万里長城メモリアルゲート前広場で進む。今年は、従来の下川町高齢者事業団による作業から、町民有志による新体制での作業に移行し、イベントに必要なアイスキャンドル3500個の確保に励む。
アイスキャンドルは、バケツにためた水が中心まで凍り切っていない状態で取り出し、中心の水を抜き、ろうそくを入れてともすもの。
下川町はアイスキャンドル発祥地で、毎年 2月に同ミュージアムを開催している。
これまでは、イベントに必要なアイスキャンドルを高齢者事業団で制作していたが、人手不足で人員確保が困難となり、実行委員会は人員確保を検討。
事業団による制作は午前中に行っていたため、多くの人が勤務時間と重なることから体制を一新。作業時間を午後6時半から3時間以内に変更。20・30代を中心に幅広い世代の町民20人が集まった。
作業は高齢者事業団の培ったノウハウを引き継ぎ、1回10人でシフトを組み、一度に10Lサイズのバケツ300個分のアイスキャンドル制作。
バケツを水で満たし、テント内で凍らせる。水が凍ったら、解けた水がたまらないよう、水抜き穴を開けておき、流れ作業で取り出し、保冷倉庫へ運んで保存。再びバケツを水で満たす。マイナス20度以下なら一晩で凍るが、気温が下がらないと数日を要する。
13日からバケツに水を張り、14日にマイナス20度を記録し、平均マイナス10度以下と順調な冷え込みで、15日には水が凍り、1回目のアイスキャンドル取り出しが行われた。
16日も午前中、マイナス20度以下を記録するなど冷え込み、その夜に取り出しが行われたが、17、18日は冷え込みが弱く取り出しを控えた。
実行委事務局(観光協会)は「毎日昼に凍り具合を見て、夕方の作業を行うか判断している」と話す。製作に当たった参加者には回数に応じて謝礼する。
近年、人手不足だけでなく、温暖化の影響も危惧される。実行委事務局は「必要個数を確保のため、町民から自作アイスキャンドルを提供していただく仕組みも必要。提供個数に応じた特典なども考えたい。イベント会場に限らず、自宅で作ってともして楽しんでもらいたい。メイン会場のアイスキャンドルを飾る『雪のオブジェ』を作ってくださる方も募集中。町民の皆さんに関わっていただき、一緒につくっていけたら―と思う」と語る。