【名寄】

北海道観光機構の「2024年度伴走支援型観光地域力強化推進事業」の地域単独事業部門で、なよろ観光まちづくり協会(栗原智博会長)が実施したプロジェクトが最優秀賞を受賞。表彰式が、11日午後2時から「よろーな」で行われた。
同事業は、北海道が地域の観光地づくりに対し、将来的な自走化を目的とするとともに、地域の稼ぐ力を推進するための制度。24年度は全道43団体(このうち地域単独事業部門は22団体)が補助採択を受けた。
同協会が採択を受け実施した事業は、「地域ガイド連携による原始資源を活用した高付加価値商品造成プロジェクト」で、地域おこし協力隊員として同協会で勤務(3年9カ月)し、今年3月末で任期を終えた森和季さんが中心となって企画した。
森さんによると事業は、昨年8月にふうれん望湖台自然公園キャンプ場を舞台としたアウトドアイベント「アウトドアフェスティバル」を開催。地元ガイドの協力で、忠烈布湖を活用した静水でのカヌー体験や自然探索、火起こしなどアクティビティ体験の他、9月には水を抜いた忠烈布湖での湖底ツアーなどを実施。
森さんは「望湖台の知名度向上や来訪者の増加を狙い、地元在住のガイド連携し、名寄で楽しめる体験型イベントとした」と説明。
同機構事業企画本部の生川幸伸副本部長によると、審査は計画書と実績報告書に基づき実施され、「初開催のイベントで、入り込みなどの数値目標も達成されていること。また、望湖台という観光資源に着目したことなどが評価され、審査員、満場一致の最優秀賞選出となった」とした。
表彰式では生川副本部長から栗原会長、森さんにトロフィーが贈られ、森さんは「名寄を盛り上げたい―という思いで事業を決めたところもあり、その思いが受賞につながり、うれしい」と笑顔。
今回の事業を活用したイベントを通じ、森さんは「ガイド同士の横のつながりもでき、将来的には釣りとカヌーを組み合わせた、より付加価値のある商品造成や、キャンプでの宿泊を通じた、体験メニューの充実化の可能性なども考えられる。また、カヌー、湖底ツアーは今回モニターで実施し、潜在的なニーズが見えてきた」と商品化への手応えをつかんだ様子。
一方で課題もあるとし、「体験メニューの価格設定を、参加者の満足度も踏まえながら検討すること。また、開催時期が真夏の暑い時期だったので、(熱中症予防のために)より安全な時期を見定めること」などと説明。
森さんは、地域おこし協力隊員の任期中に、北海道知事認定の北海道アウトドアガイド資格(カヌー分野)、JCTAサイクリングガイド、NEAL自然体験活動指導者、日本キャンプ協会のキャンプインストラクター、キャンプディレクター2級などさまざまな資格を取得。任期終了後の現在は、体験型ガイドや観光全般の商品造成などを手掛ける株式会社HAKUの立ち上げに向けて準備中。
なよろ観光まちづくり協会では、25年度も同機構の補助事業を活用し、協会と森さんが連携しながらイベントを実施したい意向。森さんは「本年度は市民や近隣市町村を対象に開催し、それ以降は道内、将来的には全国から訪れてもらえるようにしていければ」と語る。
栗原会長は「道北地域を訪れるインバウンドや国内旅行者も増えてきている。個人や友人同士、家族などで体験型の旅行を楽しむスタイルが、さらに増えてくると思う。今後もアウトドアフェスティバルを通じ、道北の魅力を発信しながら、大自然を生かした取り組みを加速していければ」と語っている。
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