【名寄】
名寄市北国博物館(金田卓浩館長)では、今年も5月5日の「端午の節句」「こどもの日」を前に「こいのぼり」を揚げており、大空の下で「こいのぼり」が春風を腹いっぱいに受けながら力強く泳いでいる。
古代中国の歴史書「後漢書」の故事では、黄河にある「竜門」という滝を多くの魚が登ろうとして失敗したが、コイだけが登り切って竜になれたことに由来し、コイは立身出世の象徴といわれ、「登竜門」の語源ともされている。
「こいのぼり」を揚げる風習は、江戸時代の武家で始まったとされる。男児の出世と健康への願いを込めて、コイの絵柄を紙や布に描いたものを庭先に飾ったことが起源といわれる。
当初は黒色の真ごいだけだったが、明治時代から真ごいと赤色の緋ごいの対となり、昭和時代からは家族を表すものとして青や緑、紫色などの子ごいも加わっている。
かつては先を争うかのように至る所で見られた「こいのぼり」だったが、現代は少子化や住宅敷地スペースなどの事情が影響し、市街地ではあまり見かけなくなった。
名寄市内でも、屋外で揚げる大きな「こいのぼり」は珍しい存在となり、飾るとしても室内の小さなものが主流である。
同館では毎年、市民から寄贈を受けた「こいのぼり」を5月5日の「こどもの日」「端午の節句」前から飾っている。恒例となっているイベントで、今年も4月9日から同館前駐車場に張ったロープやポール、館内で合わせて40匹を揚げている。
「こいのぼり」を飾る家庭が少なくなっていることから、同館の「こいのぼり」を見るため訪れる市民が近年多く、子どもと一緒に写真を撮る姿も見られているとのこと。
「こいのぼり」がミズナラ林や名寄の街並みを背景に、春風を受けながら元気よく泳いでおり、子どもたちの健やかな成長を見守っている。
名寄新聞の購読をご希望の方は以下のお電話・FAXまたはメールからお願いいたします。
※地方発送も承っております。お気軽にお問い合わせください
購読料:1,980円(1ヶ月)
TEL:01654−2−1717
FAX:01654−3−2181
MAIL:web-regl@nayoro-np.com