SL排雪列車キマロキ 「黒光りの雄姿」現れる 冬囲いシート外し作業行う

【名寄】

 SL排雪列車「キマロキ」の冬囲いシート外し作業が、23日午前8時半から名寄市北国博物館北側で行われた。今季の展示公開がスタートし「黒光りの雄姿」が再び現れ、鉄道ファンや道行く人たちの注目を集めている。
 「キマロキ」とは、先頭から機関車(9600型)、マックレー車(かき寄せ式排雪車)、ロータリー車(回転式排雪車)、機関車(D51型)の頭文字を取ったもので、最後尾の車掌車(緩急車)も含めた編成の全長は75m。
 1975年のSL引退後、76年から名寄公園内、93年から同館北側のJR名寄本線跡で展示保存。2010年にJR北海道の準鉄道記念物に指定。「キマロキ」編成で保存されているのは、国内でも名寄が唯一であり、全国各地から鉄道ファンが訪れている。
 名寄SL排雪列車(キマロキ)保存会(菅野雅夫会長)が維持管理に当たり、毎年4月下旬から10月中旬まで展示公開。冬場は風雪に伴う傷みから車体を保護するため、冬囲いのブルーシートで覆っている。
 春のシート外しと秋のシート掛けは、以前は同保存会員の手で行っていたが、高齢化のため、現在は所管の同館から事業者に委託。会員たちは作業の指導に携わっている。
 シート外し作業では、会員たちが現場で立ち会うとともに、作業員たちが車両全体を覆っていたブルーシートやロープ、機関車を囲っていた鉄パイプを撤去した。
 半年間の冬眠から目を覚ました「黒光りの雄姿」が再び現れるとともに「SLキマロキ」の看板も設置し、存在をPRしている。
 菅野会長は「ようやく展示シーズンが到来。今年も多くの方に見ていただきたい。『キマロキまつり』(7月19~21日)ではさまざまなイベントを予定しているので、たくさんの方に来ていただければ」と呼びかけている。
 展示公開期間中の日曜日と祝日の午後1時から3時まで、同保存会員が説明などに当たる。
 付近にはJR宗谷本線が敷かれ、現代の気動車が通過していく傍ら、かつて各線区で活躍したSLと、厳冬期に雪と闘った排雪車両が威風堂々とした姿を見せており、道行く人や鉄道ファンの目を引いている。

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