名寄左官組合と大野土建 日本の伝統技術を体験 土壁塗りイベント 改装中の「Aubaなよろ」で

【名寄】

 名寄地区左官工業組合(大沼広明組合長)主催の「『Aubaなよろ』で土壁を塗りませんか」が、11日午前10時から市内西4南10の旧TSUTAYA(ツタヤ)書店内で開かれた。多くの子どもたちが参加して、楽しみながら日本の伝統技術である土壁塗りを体験した。
 同店は現在、大野土建株式会社(大野真一郎代表取締役社長)が「Aubaなよろ」として改装中。2階フロアは同社事務所。1階フロアは地域住民の憩いのスペースとし、絵本なども置いて子どもから大人まで誰もが気軽に利用できる空間とする計画だ。
 事務所、同スペースともに6月2日から開放する予定。また、1階フロアに9月から、全国でチェーン展開している「星乃珈琲店」の名寄店がオープンする予定となっている。
 土壁塗りの体験イベントは、「Aubaなよろ」に改装作業中の同書店を活用して、日本古来より伝わる職人の技術を子どもたちに体験してもらい、左官工の伝承普及のきっかけにしようと、同社と組合が連携して企画、開催したもの。
 講師は、地元の土を生かした土壁を手がけるとともに、文化財修復やアート制作など土の魅力、伝統技術の普及に力を入れている野田肇介さんが務め、中学生対象の午前の部に6人、小学生対象の午後の部に48人が参加した。
 参加した子どもたちは、稲わらと名寄土管製作所(蓑嶋浩幸社長)提供の名寄の土を混ぜ合わせ、壁に塗る土作りを体験。野田さんは「水に付けて混ぜ合わせることで発酵して土が強くなる」など説明し、子どもたちは素手で一生懸命に混ぜ合わせ、泥だらけになりながらも作業を楽しんでいた。
 土を塗った場所は店内階段の踊り場の上にある高さ約3m、横幅約5mの壁。野田さんは「土は下から上に力を入れて塗ること」とアドバイス。また、「地震による壁の崩落を防止するため、昔は塗るときに麻で編んだひもや生地などを土に入れていた」などと説明し、子どもたちは伝統的な知識も学びながら土壁塗りに挑戦していた。
 また、参加した子どもたちが塗った土壁は1週間ほど乾燥させたあと、野田さんが漆喰(しっくい)を塗り、サンピラー(太陽柱)をイメージした土壁に仕上げる。

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