BOOK LAB.
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BOOKLAB.書籍紹介 方形の円 偽説・都市生成論
幼い頃、架空の地図を描いていた。
宝探しの地図や、見知らぬ街の地図を描いて、あたかも体験した気になるのが大層面白かったからだ。本書は、一度でもそんな経験がある人には垂涎の書である。 -
BOOKLAB.書籍紹介 この闇と光
本書は同年の直木賞の候補作品としても推薦された作品である。「思いがけないどんでん返し」を含む作品として夏のミステリフェアなどではそのラインナップに数えられ、今なおその世界に魅了される人々が多い物語である。
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BOOKLAB.書籍紹介 料理の四面体
普段の生活の中に欠かせない食事を自らこしらえる方も多いだろう。インターネットが普及した現代において、作ろうと思った料理の完璧なレシピはいくらでも転がっている。
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BOOKLAB.書籍紹介 Lの運動靴
1987年6月9日は、韓国の歴史において象徴的な日である。全斗煥軍事政権に対する反政府デモの決起大会が行われた日だ。
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BOOKLAB.書籍紹介 作家の珈琲
読書や書き物、種々の仕事―そのときあなたはどんなものとその時間をともに過ごすだろうか。ものを書くことに代表される様々な集中作業においてお茶やコーヒーは決して少なくない人々にとって、大切な相棒だ。
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BOOKLAB.書籍紹介 「いき」の構造
九鬼周造の『「いき」の構造』は、名著としてよく名が知られている。しかし実際に読んだことのある人はどのくらいいるだろうか。
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BOOKLAB.書籍紹介 将国のアルタイル27 (完)
本年1月にとある歴史ファンタジー譚がその連載に幕を下ろした。新潟県在住の漫画家・カトウコトノの『将国のアルタイル』は中世中東を思わせる架空国家・トルキエを舞台に国内最年少で将軍の座に就いた青年マフムートの視点から戦乱と国政を描いた漫画作品だ。講談社の少年誌「月刊少年シリウス」の新人賞を受賞したカトウ初の長期連載であり、同誌で2007年から総年数18年近く描かれ続けた。㉗はその最終巻にあたる。
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BOOKLAB.書籍紹介 あかるい花束
昨今の現代短歌ブームはどこから来たのだろうか。短い文章を投稿するSNSとの相性の良さだろうか。タイムパフォーマンスを求める若い世代に、たった31文字で感情を揺さぶることのできる短歌が新しいエンタメとして受け入れられたからだろうか。理由は様々に考えられるが、私はそこに“生活”に対する意識の向上という要因を加えたい。
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BOOKLAB.書籍紹介 「くぐり抜け」の哲学
「弱者男性」という言葉をご存知だろうか。ネットを中心に用いられるようになった、社会的立場や能力が低いとされる男性を指す言葉である。多様性や個性、人権の尊重が謳われ、人類史上最も平等なはずの現代で、どうしてこのようなパラドキシカルな言葉が登場したのか。
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BOOKLAB.書籍紹介 石狩少女
昨今、作家の再発見や再評価による作品の出版や復刊が盛んである。とりわけここ数ヶ月の筑摩書房のレーベル・ちくま文庫における女性作家による作品の再出版には私個人、目を見張るものがある。野溝七生子や佐久間文子、森崎和恵…彼女たちと共に少女文学の名作として長らく入手困難であった森田たまの本作品『石狩少女(註:少女はおとめのルビあり)』も装いを新たに書店に並ぶこととなった。