H100形宗谷線ラッピング 鉄道と天塩川を表現、オジロワシなどデザイン 名寄駅で車両見学会にぎわう

【名寄】

H100形ラッピング車両(宗谷線)の車両見学会が、20日午前11時半からJR名寄駅1番ホームで開かれた。
JR北海道では、国(鉄道・運輸機構)と道による助成、補助制度を活用し、普通列車と快速列車で使用されているH100形気動車のラッピング車両を2022年度から導入。23年度は宗谷線ラッピングなど4両を追加し、合わせて8両となり、ラッピング全車両がそろった。
ラッピング車両は、地域の特色を生かしたデザインで、内装も一般のH100形から変更し、座席シート生地のデザインはタンチョウやエゾマツなど、北海道の自然や風景をイメージしている。
宗谷線ラッピングでは、鉄道と天塩川を直線や交わりで表現するとともに、オジロワシなども描いている。ラインは沿線を表現した幾何学模様をモチーフとしている。
デザインは、21年12月に宗谷本線マイレール意識向上事業実行委員会で企画した「宗谷本線新型車両H100形地域ラッピングデザインコンセプト案募集」で、沿線や全国各地から寄せられた80点のアイデアをもとにデザイン。宗谷本線活性化推進協議会に提案した後、JR北海道で採用となった。
車両見学会では、黒色と白色を基調とした外装のデザインが披露されるとともに、車内には道産タモ材を使用したテーブルも設置された。
鉄道ファンや沿線住民ら約150人が訪れ、見学や撮影を楽しむなど、にぎわいを見せた。沿線の首長も顔を見せ、新たな車両を確かめていた。
来駅特典として、見学会当日に「名寄駅開駅120周年記念入場券」(31日まで販売)を購入し、受け付けで同入場券を提示すると、先着200人にH100形宗谷線ラッピングがデザインされた記念マグネットをプレゼントした。
名寄市の「なよろう」、剣淵町の「ぷっちーな」、比布町の「スノーベリー」、旭川市の「あさっぴー」のご当地キャラも登場し、イベントを盛り上げた。
見学会終了後、宗谷線ラッピング車両は名寄駅午後1時37分発の旭川行き快速列車に増結して運行した。
ラッピング車両は定期列車の他、観光列車でも活用するが、テーブルは定期列車として運行する際は基本的に設置されない。
また、名寄駅LED発車標ディスプレイ総選挙が、昨年12月9日から今年2月29日まで同入場券購入者の投票で行われ、最多得票の車両デザインは国鉄時代からJR初期まで使用されたキハ22形気動車となった。ディスプレイには3月20日から31日までの午前11時10分から午後1時10分まで期間限定で表示している。