書評
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BOOKLAB.書籍紹介 競売ナンバー49の叫び
やっぱり、本を読むって、格好いいと思う。しかもそれが、難しい本だと、なおさら格好いいと思う。冒頭から身も蓋もないことを書いたのは、今回取り上げる本の作者がまさしく、世界中で「読んでいたら格好いい」、そして「読んでいないのに読んだふりをする」として、有名な本の著者だからである。
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BOOKLAB.書籍紹介 今夜、すべてのバーで
世の中には多くの「依存症」がある。アルコール、ニコチン、ドラッグといった身体に明らかに有害なものから、スマホや買い物、さらには恋人や家族といった人間関係への依存まで。依存という言葉にピンとこない人でも、何かしらに「すがってしまう」感覚は思い当たるのではないだろうか。
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BOOKLAB.書籍紹介 spring
恩田陸の新刊はバレエを主題にした長編小説らしい、と聞いて『蜜蜂と遠雷』(2016年、幻冬舎)を思い浮かべた人は多いはずだ。
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BOOKLAB.書籍紹介 それは誠
二年前、市川沙央氏の『ハンチバック』が第169回芥川賞を受賞した。同作は氏によるデビュー作、そしてこれまで透明化されてきた問題に対して投じた一石のもたらす波紋は凄まじく、その実力を疑うような隙は少しもない。
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BOOKLAB.書籍紹介 ちぐはぐな身体 ファッションって何?
本書は1995年に筑摩書房の中高生を対象とした新書や専門書の入門としてのレーベル「シリーズ・プリマーブックス」の1冊として刊行された。
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BOOKLAB.書籍紹介 台湾漫遊鉄道のふたり
本書はかつてこの国が大日本帝国と呼ばれ、統治下においていた台湾を舞台に文筆家の女性・青山千鶴子が彼女の通訳を担当した王千鶴との日々を綴った文学作品である。
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BOOKLAB.書籍紹介 旅する力 深夜特急ノート
『深夜特急』(1986〜1992年、新潮社)は沢木耕太郎による紀行小説だ。26歳のとき、軌道に乗り始めていたルポライターの仕事を手放し、「デリーからロンドンまで、なるべく乗り合いバスだけを使って行く」という旅を約一年かけて敢行した沢木自身の実体験が描かれている。
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BOOKLAB.書籍紹介 メタバースの哲学
メタバースは、インターネットが日夜発展していく中でここ数年特に期待を寄せられているもののの一つだ。そもそもメタバースとは、コンピュータの中に構築される仮想的な空間を指し「meta(超越)」「universe(宇宙、世界)」を組み合わせた造語である。
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BOOKLAB.書籍紹介 月ぬ走いや、馬ぬ走い
本作は、現役大学生である豊永浩平氏が群像新人文学賞そして野間文芸新人賞を受賞した作家デビュー作である。群像新人文学賞というと、村上春樹氏や村上龍氏など、これまで名だにたる作家を輩出した、いわば文学の登竜門である。
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BOOKLAB.書籍紹介 鯨寄る浦 虎伏す野辺
虎とおばけが岩場から水面を覗いている。不思議な表紙だが、作品全体の奇妙な切なさや温かみが伝わってくるだろう。