札幌市
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BOOKLAB.書籍紹介 バトラー入門
ジェンダーという言葉を聞くと、そのわからなさや多義さや曖昧さに途方に暮れ、ひょっとすると蕁麻疹が出るような気持ちになる人は割合いるのかもしれない。本書名にある「バトラー」とはアメリカの文学者ジュディス・バトラーのことであるが、もしバトラーの本を読んだことも、さらに言えばその名前を知らなくても、ジェンダーというこの「厄介で」あまりにも身近な問題に対して手を伸ばすとっかかりになるだろう。
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BOOKLAB.書籍紹介 手紙魔まみ、夏の引越し(ウサギ連れ)
日本文学において、太宰治の存在の大きさはいうまでもありません。彼の作品のいくつかに、彼の周りにいた女性の存在が大きく関係しておりました。
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BOOKLAB.書籍紹介 ウォード博士の驚異の「動物行動学入門」動物のひみつ 争い・裏切り・協力・繁栄の謎を追う
集団を成し、ほかの個体と関わり合って生きる生物のことを、人間に見立てて「社会的」と呼ぶことがある。
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BOOKLAB.書籍紹介 競売ナンバー49の叫び
やっぱり、本を読むって、格好いいと思う。しかもそれが、難しい本だと、なおさら格好いいと思う。冒頭から身も蓋もないことを書いたのは、今回取り上げる本の作者がまさしく、世界中で「読んでいたら格好いい」、そして「読んでいないのに読んだふりをする」として、有名な本の著者だからである。
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BOOKLAB.書籍紹介 それは誠
二年前、市川沙央氏の『ハンチバック』が第169回芥川賞を受賞した。同作は氏によるデビュー作、そしてこれまで透明化されてきた問題に対して投じた一石のもたらす波紋は凄まじく、その実力を疑うような隙は少しもない。
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BOOKLAB.書籍紹介 ちぐはぐな身体 ファッションって何?
本書は1995年に筑摩書房の中高生を対象とした新書や専門書の入門としてのレーベル「シリーズ・プリマーブックス」の1冊として刊行された。
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BOOKLAB.書籍紹介 台湾漫遊鉄道のふたり
本書はかつてこの国が大日本帝国と呼ばれ、統治下においていた台湾を舞台に文筆家の女性・青山千鶴子が彼女の通訳を担当した王千鶴との日々を綴った文学作品である。
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BOOKLAB.書籍紹介 旅する力 深夜特急ノート
『深夜特急』(1986〜1992年、新潮社)は沢木耕太郎による紀行小説だ。26歳のとき、軌道に乗り始めていたルポライターの仕事を手放し、「デリーからロンドンまで、なるべく乗り合いバスだけを使って行く」という旅を約一年かけて敢行した沢木自身の実体験が描かれている。
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BOOKLAB.書籍紹介 月ぬ走いや、馬ぬ走い
本作は、現役大学生である豊永浩平氏が群像新人文学賞そして野間文芸新人賞を受賞した作家デビュー作である。群像新人文学賞というと、村上春樹氏や村上龍氏など、これまで名だにたる作家を輩出した、いわば文学の登竜門である。
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BOOKLAB.書籍紹介 夜叉ケ池・天守物語
誰しも、現実とは様相を異にする世界への思慕を抱いているだろう。フィクション作品に触れるとき、私たちは物語のあちら側と自分たちのいるこちら側という境界を強く意識する。登場人物や物語の背景への共感、理解あるいは拒絶という反応を通してその境界を越境することが、文学の楽しみ方の一つではないだろうか。