「夢を大きく育んで」 林家とんでん平さん 名寄の小中学校で講演会

【名寄】

落語家の林家とんでん平さんによる講演会が、13、14の両日、市内5小・中学校で開かれた。児童・生徒たちは、手話落語を楽しみながら、自らの夢の実現に向かって努力し続けることの大切さなどを学んだ。
名寄市社会福祉協議会による「子どもの心を育む講演・交流事業」の一環。13日に風連中、風連中央小、西小、14日に南小、東小で開かれた。
とんでん平さんは1980年、生まれ故郷の小樽から東京までリヤカーを引きながら歩いて上京し、初代・林家三平さんの最後の弟子として入門。リヤカーによる手話落語の全国行脚、デンマークのろうあ学校での手話落語文化交流、札幌市議会議員を務めるなど活動。現在は、若い世代へ落語の素晴らしさや、障がいへの理解などを伝える活動に力を入れている。
西小での講演会は、総合的な学習「心のバリアフリー」として5年生34人が参加。
とんでん平さんは、「子豚が空を飛んでるよ、ヘリコブター」といった小ばなしを紹介。児童の代表も挑戦し、堂々と小ばなしを披露した。
とんでん平さんは、落語家になるという夢を実現するため、小樽から東京までリヤカーを引きながら東京を目指したことなど、夢の実現には、諦めずに努力することが必要なこと。また、手話落語を始めたきっかけにも触れ、リヤカー行脚中の寄席で耳の不自由な人と出会い、「障がいのある人の見えない壁を取っ払って、みんなに楽しんでもらいたいと思い、手話で落語をしようと考えた」と思いを語った。
手話体験では、「おじいちゃん」「おばあちゃん」などの他、「おはようございます」「こんにちは」など挨拶を学び、「手話は気持ちを入れて行うこと」とアドバイス。
とんでん平さんは、古典落語「初天神」を手話を交えて披露。豊かな表情やはなしの滑稽さに、児童たちからは笑いや拍手が沸き起こった。
「どんぐりころころ」の歌を、手話を交えながら歌うなど、楽しみながら手話への興味を深めた。
最後に、とんでん平さんは「いろんな人に自分の夢を話し、アドバイスをもらったりしながら、より大きく育んでいってほしい」と呼びかけた。