次期教育長に古屋宏彦氏 2課の統合案は審議付託 下川町議会月定例会議開会

【下川】

所信表明をした次期教育長の古屋宏彦氏

下川町議会定例会6月定例会議が、18日午前10時に開会。会期を21日までの4日間とし、初日は田村泰司町長の行政報告、議案審議が行われた。田村町長は7月1日から3カ年の次期下川町教育長に町産業振興課長の古屋宏彦氏(56)を任命。議会の同意を求め、古屋氏の所信表明後に可決された。田村町政2度目の機構改革を7月1日付に行うことに伴い、「税務住民課」と「建設水道課」を統合し、「町民生活課」を設置する「町課設置条例の一部改正案」、下川町福祉医療施設等総合審議会を設置するための条例案、一般会計補正予算案は委員会審議に付託した。
 行政報告では「前年度の各会計決算見込み」「北海道森林バイオマス吸収量活用推進協議会の前年度事業報告」で報告した。
前年度各会計決算見込みは「一般会計は歳入56億7280万1千円。歳出との差額は1億4933万6千円の黒字。7640万円を積み立て、7141万8千円を本年度に繰り越す」など報告した。
北海道森林バイオマス吸収量活用推進協議会(下川、足寄、滝上、美幌の4町で構成)の事業報告で「4町で森林バイオマスの二酸化炭素吸収機能や排出削減機能を、環境省の制度に基づいてクレジット化し、カーボンオフセットに取り組んでいるが、前年度の企業等協賛金収入は1927万円で、経費差し引き後、4町に配分され、下川町は387万円の配分を受けた」。
「2009年度から前年度までの企業等協賛金は総額2億888万円となり、諸経費を差し引き、総額1億5707万円が4町に配分され、下川町には4643万円を配分。2050年カーボンニュートラルに向け、企業などへの販売など協議会活動を通し、地域活性化を図る」と述べた。
議会の議決に付すべき工事請負契約案では、一の橋地区地域熱供給システム面的拡大(戸田建設夏秋イチゴ栽培温室ハウス4棟への温水熱供給に係る熱導管延長)で4者による指名競争入札を行った結果、丹野・筒渕・安田特定建設工事共同体(代表・丹野美津雄丹野建設代表取締役)と5541万8千円、あけぼの団地線外2路線道路改良舗装(元町横山通線からあけぼの東通り線153m区間)で、4者による指名競争入札の結果、谷・安田建設・筒渕建設特定建設工事共同企業体(代表・山口司谷組下川支店長)と6314万円で締結することで可決された。
教育長任命は、6月30日に任期満了となる川島政吉教育長(1期3年)の勇退意向に伴うもの。
次期教育長の古屋氏は、下川町出身で1987年4月に町職員に採用され、2003年4月から北海道経済部産業振興課、05年4月からは、財団法人下川町ふるさと開発振興公社に派遣され、道行政や地域振興に携わった。町の建設、林務、保健福祉、総務など幅広い分野で中心的役割を担い、議会事務局長、農林課長を経て、昨年7月から産業振興課長を務めている。教育施策の充実に努め、児童生徒の育成、生涯学習の推進に手腕を発揮できる最適任者として任命を受けた。
所信表明では、本年度の教育執行方針を引き継ぐとした上で、三つの柱に「子どものために何ができるかを自分自身に問い、子どもたちが人生設計できるよう、ステージごとの学びを関係者と支えたい」「人生に潤いを与える文化、生活への学びを制約なく取り組めるように支援したい」「郷土芸能、スキージャンプなど受け継いできた町の宝物を、次の世代へと引き継ぎたい」と述べ、「幸せに暮らせる持続可能なまちに向けて、教育施策の推進に取り組みたい」と語った。
議員からの質問を受け、次年度から導入する施設分離型の小中一貫校に「教職員の能力を地域と一体となって、最大限発揮できる基盤を整えたい。将来、機が熟したときは施設統合型も視野に入る」。教育に「子どもたちの能力を摘むことなく、最大限伸ばしてあげられるかが重要」。“いじめ”に対して「する側が100%悪いが、している意識がない場合もあり、どのようなことがいじめにつながるのか、家庭や地域、関係者と伝えていきたい」。AIに「情報をうのみにせず見極める力が備わっていくことが必要」。小中学生への模擬議会開催に「物事が決まっていくルールを学ぶ機会になる。できるよう協議したい」と明確に考えを示した。
議員から「古屋氏は部下からの信頼も厚く、温厚な内面に強い意志・考えを持ち、議員の質問にも明確に回答している。下川町で生まれ育ち、地域の実情にも精通している」と評価を受け、全会一致で同意を得た。