【枝幸】
オホーツクミュージアムえさしでは10日、枝幸町歌登の徳志別川上流域で、デスモスチルス化石発掘調査を行い、胸骨の化石を新たに発見した。化石は極めて大きく、巨大なデスモスチルスが生息していたことを裏付けるものとなった。ミュージアムの調査でデスモスチルス化石の発見は2022年以来のこと。
ミュージアムでは、足寄動物化石博物館と連携して発掘調査を進めている。澤村寛同博物館特任学芸員(前館長)やミュージアム職員とボランティアらが調査を実施。
徳志別川上流域の露頭を調査していたところ、横101mm、縦79mm、厚さ22mmと、こぶしほどの大きさの胸骨が見つかった。同行していた澤村特任教授が同定確認を行い、デスモスチルス成獣の中胸骨と推定した。
胸骨は胸の中心に位置する板状の骨でデスモスチルスは特に胸骨が発達していることでも知られている。
これまでのミュージアムの調査で見つかったデスモスチルスの化石はいずれも断片的だったが、大きな個体のものが多く、レプリカ展示している全身骨格「歌登第1標本」は、まだ小さな個体のため、歌登では子どもから大人までの様々な成長段階のデスモスチルスが生息していたことが推定されている。
ミュージアムでは、今後も足寄動物化石博物館と連携して更なる調査を進めていくとしている。
また、前日の9日には枝幸の化石とミニ発掘講座として、澤村特任教授を講師にデスモスチルスをテーマとした体験講座を開催し、親子ら29人が参加した。
(神保敏也)