中名寄小 ヒメギフチョウの卵発見 オクエゾサイシン移植も

【名寄】

中名寄小学校(松本敏朗校長、全校児童11人)のヒメギフチョウ観察・オクエゾサイシン保全活動が、10日午後1時50分から神社山(中名寄神社)で行われ、ヒメギフチョウの卵を発見するとともに、食草となるオクエゾサイシンを移植した。
PTA行事として開催し、保護者たちも参加。講師は名寄市文化財審議委員、道北自然観察指導員の佐藤源嗣さんが務めた。
神社山は、高低差が約50m、活動可能な区域面積は約1ha。カラマツの植林地を切り開いたところに中名寄神社があり、季節ごとにさまざまな動植物を観察できる。
ヒメギフチョウ(アゲハチョウ科)は、環境省レッドリストの準絶滅危惧種に指定されており、近年、生息数を減らしている。北海道と本州北部の一部に生息しているが、名寄市内では中名寄地区の神社山など、ごく一部でしか自生していない。餌となる食草がオクエゾサイシンである。
観察会では、佐藤さんがヒメギフチョウとオクエゾサイシンについて説明した後、神社山へ向かった。
子どもたちは登山道沿いにオクエゾサイシンを見つけると、小さなシャベルで丁寧に掘り出した。
神社山頂上の中名寄神社の近くにオクエゾサイシンの群生地があり、この日は33株を移植した。
オクエゾサイシンの中には、ヒメギフチョウの卵が葉の裏に付いたものも発見した。
ごく小さな緑色の卵で、ヒメギフチョウが無事にふ化するよう願いながら、オクエゾサイシンを植え込み、水をあげた。
また、ヒメギフチョウが飛ぶ姿を見ることもでき、興味を深めていた。
佐藤さんは「ヒメギフチョウが生きていけるように地域の宝を大切にしてきましょう」と呼びかけ、子どもたちは豊かな自然や生息環境を守ろう―と誓っていた。
今後は6月5日にヒメウスバシロチョウの観察を行うことにしている。