乳幼児期の子育て学ぶ 名寄市立大学社会保育学科 傳馬准教授講師に ひまわりらんどで親子講座

【名寄】

 名寄市地域子育て支援センターひまわりらんど(紺野美奈子所長)主催の親子講座「少し気持ちが楽になる『いい加減』の子育て」が、9日午前10時半から同館で開かれ、5組の親子が参加した。
 講師は、名寄市立大学社会保育学科准教授の傳馬淳一郎さんが務めた。
 傳馬さんは、参加者に子どもの年齢などを尋ねながら、自身の子の乳幼児期の写真を見せ「『いい加減な子育て』は、『良い加減な子育て』です」と、呼びかけて開始した。
 日本は先進国の中で、就学前の子どもの予算が少ないことについて触れ、ジェームズ・J・ヘックマン氏の著書「幼児教育の経済学」を参考に、子どもに対する教育投資効果は、乳幼児期の投資が最も効果的であることを語った。
 また、子どもは、いろいろな興味・関心を持ち、そこから関心が広がる。周りの大人たちが笑顔でいれば、笑顔ある育ち方をする―などを訴えた。
 子育て・保育の質については、知識などの「認知」以上に、やさしさ、忍耐力、包容力などの「非認知」能力を促すことで、生涯の発達に影響があることを伝えた。
 乳幼児期は、建物を建てる際の「基礎工事」の時期であると述べ、「基礎工事は、建物が建ってしまうと見えなくなるが、しっかりした建物かどうかは、確かな基礎工事なしには考えられない」と語った。また、乳幼児期にネグレクトされた子どもは、脳の発達に影響が出ることも指摘した。
 最後に、絵本「ままみてて」「お母さん大好きだよ」を読み聞かせ、「しなさい」「させられる」ではなく、「そうか!やってみたい」と思えるような子育てを訴えた。子どもの「イヤイヤ」は自立の証で、「見て見て!」は基礎工事のチャンス。ついつい切れてしまうのは、間違いなく子育てを頑張っているからです―と励ました。
 参加者は、日頃の子育てに対する理解を深め、元気づけられていた。

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