初の大学生消防団員が誕生 名寄消防団 「自らの成長と地域に役立ちたい」 齋須愛菜さん(名寄大2年)に辞令交付

【名寄】

宮下団長(右)から辞令を受けた齋須愛菜さん

 名寄消防団(宮下昌樹団長)の入団辞令交付式が、1日午後6時から名寄消防署(谷口直寿署長)で行われ、名寄市立大学栄養学科2年生の齋須愛菜(さいす・あいな)さん(20)が入団。同団としては初となる学生の入団で、齋須さんは「将来を見据えた自らの成長を含め、地域の方々の役に立てるよう頑張る」と意気込みを語った。
 名寄消防団は1904年発足。団員は118人(条例定数130人)で充足率は90%。このうち女性団員は齋須さんを含め17人(条例充足率100%)で、防火査察や消火体験・煙体験などの啓発活動、団のPR活動、応急手当ての指導をはじめ、災害時には現場指揮の補助や情報伝達、給食・給水の手配などの後方支援などが任務。
 同消防署では、消防団活動をPRする資料を作成し、名寄市立大学と連携しながら広報活動を展開。大学に掲示されているポスターに目を止めた齋須さんが、消防団活動に興味ある―と一念発起、この日の入団に。
 同消防署担当は「学生が入団することで、組織の活性化や、次世代の担い手育成など、さまざまな効果が期待できる。また、消防団員としての経歴は、全国どこに行っても引き継がれるので、訪れた地域の消防団に入団し活躍するといった、良い循環ができればと思っている」と話す。
 辞令交付式で、齋須さんに辞令を手渡した宮下団長は「名寄消防団に、初めて大学生が入団した。なかなか団員が増えない状況が続いているが、大学生が徐々に増え、団員が定員の130人となることを期待している。市民の生命、財産を守るため活躍を願っている」と期待を込めた。
 齋須さんは2005年4月21日、栃木県大田原市の生まれ。
 「『誰かの役に立ちたい』と常に考えていて、自分なりには地域に貢献するよう頑張ってきました。テレビなどで、災害現場で活躍する人の姿を見て憧れを持っていて、大学で消防団のチラシを見て、さらに地域の方々の支えになれれば―と思い、入団を決意しました」と語る。
 小学3年生の頃から中学、高校と陸上競技(短距離)に取り組み、大学に入ってからはランニングや水泳少年団の指導員としても活動している。
 大学では、SOサークルの副サークル長として活動。昨年は小中学生にスペシャルオリンピックスに関心を持ってもらうためのイベントを開催するなど、地域活動を積極的に展開している。
 管理栄養士を目指して勉学に励んでおり、「将来は災害支援に携わる仕事がしたいと思っています。企業などで管理栄養士として一定の実務経験を積んだ後、日本栄養士会災害支援チームに入り活動することが目標です」と笑顔で語る。

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