利尻富士町で中学サッカー部が地域移行 利尻FCを発足 鴛泊、鬼脇から11人所属

【利尻富士】

利尻富士町サッカー協会が運営する形で今年度から、鴛泊中と鬼脇中に通う生徒が対象のクラブチーム「利尻FC」を新設した。中学校部活動の地域移行を試行したもの。サッカーが出来る環境を確保しようと、関係者達が協力して発足。選手が親身な指導を受け、充実した環境で技術向上などを目指している。
 部員数が減少する部活動の継続、教員の負担軽減などを目的に、全国各地で段階的に進められている地域移行。国では、2023年度から3年間、改革推進期間としている。
こうした中で利尻富士町は、競技人口等を踏まえ、今年度からサッカーの部活動を地域移行。町教委によると、成果等をもとに25年度以降にほかの競技や文化系の部活でも取り組むことを検討する。
 23年度末時点で、鴛泊中のサッカー部員は3人で、鬼脇中にはサッカー部が無かった状態。ただ、町内には鴛泊や鬼脇地区の小学生が所属する唯一の利尻サッカー少年団がある。中学校側が23年度の体制では、少年団でプレーしていた選手が中学校で単独出場が難しい又は部活動がない状況となる。こうした事態を避けようと、クラブチームの新設に向けて動き出した。
利尻FCには、4月23日時点で11人が所属。中学校別では鴛泊5人、鬼脇6人。学年別で1年生7人、2年生1人、3年生3人。10日に初練習を行い、週3回で放課後や休日に練習に励んでいる。23日には鬼脇中体育館で11人の選手全員が練習に参加し、基礎的な動きを何度も確認した。
利尻富士町サッカー協会の関係者が指導に当たり、多い時には10人近い体制で、選手達の能力に応じて1人ひとりが着実に成長できるようサポートしている。
初代主将に就いた鴛泊中3年、田村頼人さん(14)は「多くの大人が指導してくれて嬉しい。別の学校に通う人もいるが、同じ島で過ごしているので、元々知っている人ばかり。プレーしやすい」と笑顔。今後も時間を有効活用して練習し、全道大会に出場したいと意気込む。
青山佳祐監督(鴛泊中教諭)は「こうした環境で出来ることを当たり前とは思わず、感謝を大切にするよう伝えていきたい」と述べ、活動を通じて礼儀も身につけさせていきたいとした。
今後は、5月中旬から宗谷地区カブスリーグに出場。全道に繋がる公式戦出場に向けて練習を重ねていく。

(原拓弥)