名寄高校 3年間の成果を堂々披露 探究之行プレゼンテーション大会 地域住民らが惜しみない拍手送る

【名寄】

名寄高校(今中勇希校長、生徒364人)の「探究之行 プレゼンテーション大会」が、20日午後1時10分から同校体育館で開かれ、3年生がこれまで取り組んできた研究成果を地域住民に発表した。
同校では「総合的な探究の時間」の取り組みとして、全学年がグループごとにテーマ(課題)を設けて、年間を通じ研究を深めている。課題を解決し、自己の生き方を考えていくための資質・能力の育成などが目的。
今回のプレゼンテーション大会は、3年生100人が3年間にわたる研究成果の集大成を発表する機会。これまでに地域住民への説明・助言、中間発表、改善などを重ねながら研究内容を深めてきた。
同校によると、研究発表は数年前から行っているが、地域住民を招き、ブースに分かれて研究成果をプレセンする形式は、昨年から実施している。
会場には、同校の1、2年生、行政職員、企業、教育機関などから約200人が参集。
発表テーマは「集中力と音楽」「コミュニケーションマスター」「出川イングリッシュ」「日中の眠気について」「Black vs White」「罪悪感なく食べられるポテチ」など個性あふれる研究内容。持ち時間6分間で研究成果を披露し、聴衆を入れ替えながら行われた。
「食品ロス削減に向けて」をテーマとしたチームでは、西條名寄店の協力を得て、ロスの多い食品調査や、ロスをなくすための取り組みを展開したことを説明。売れ残り商品やセール商品をリアルタイムに確認できるアプリの開発などを提案するとともに、より多くの人が、食品ロスの現状を理解することの大切さを訴えた。
持続可能なまちづくりをテーマに、名寄のオンデマンドバス「のるーと」をテーマとしたチームは、より多くの市民に利用してもらうための方策として、「市内の主要施設に予約のための端末を設置することで、利用機会が作れる」などと説明。
「Black vs White」をテーマとしたチームは、教員へのアンケート調査などを基に、視認性の高さなど黒板の有用性や、「チョークが折れやすい」「消すのが大変」などの改善点に着目。工場見学を通じ、短くなったチョークを砕いて再生利用し、太くて折れにくく、密度を減らして消しやすいチョークを生徒自ら製作。「この再生チョークを大量生産し、不足して困っているカンボジアの学校や子どもたちに寄付したい」などと説明。
各ブースでは、生徒や地域住民が興味津々といった表情で発表に耳を傾ける光景が見られ、研究成果に感心した表情で、惜しみない拍手を送っていた。