地域とともに歩む名寄市立大学5

5 大学があることの効果・学生の生活等

大学には、2023年5月1日現在で、学生780人、教職員124人の合計904人が在籍している。教職員の一部には同居家族がいることを考えると、少なくとも、1千人の大学関係者が名寄市に居住していると想定される。1千人の居住は人口の約4%を占め、人口を基本として積算される地方交付税の中に約1億5千万円が措置されている。また、消費効果として、一人平均で一月当たり平均5万円を消費すると仮定した場合、年間で6億円程度が見込まれる。
780人の学生が在籍することは、アパート経営者などの家賃収入に大きな影響を与えている。これまで、看護学科の設置、4年制化の実現、社会保育学科の設置など定員増の際、多くのアパートやマンションが市内に建設されている。アパートなどの建設は、他の業種への波及効果も大きく、経済効果は相当大きい。
次に、学生生活についてみてみる。日本学生支援機構の貸与型奨学金を受けている学生は、23年10月現在、第1種の無利子奨学金が207人、第2種の有利子奨学金が224人となっており、半数以上の学生が貸与型の奨学金を受けている(給付型奨学金は除く。第1種と第2種の両方を受けている場合は両方にカウント)。
学生の多くはアルバイトを実施している。21年の「学生実態調査」によると、回答者のうちアルバイトを「全くしていない」学生は8%で、残りの92%は、授業期間中や長期休業中などに定期・不定期はあるものの、何らかの形でアルバイトをしている。学生のアルバイト先は、飲食店、スーパー・ショッピングセンター、コンビニ、農産物収穫・選別、家庭教師・塾講師などが中心になっている。
ここでは、一部の経営者の声を紹介する。
イオン名寄店の人事総務課長小野寺士仁(ひろひと)さんによると、同店では、23年11月現在、直営で約80人の学生を雇用している。同店にはテナントが32店舗あるので、合計で100人以上の学生がアルバイトしていると想定される。小野寺課長は、「実習等が重なると人数が減り、シフトを組むのが大変ですが、学生は真面目で一生懸命仕事をしてくれ、大変助かっています」と話す。
つぼ八名寄店では、現在16人の学生を雇用しており、スタッフ全体の7割~8割を占めている。店長の斉藤貴夫さんは、「学生は、一生懸命働いてくれ、とても助かっている。震災の時は、東北出身者が多く大変な時期があった。また、お正月やお盆などの際は、帰省などで人手不足になるが、残ったスタッフで、力を合わせてやりくりしてくれています」と話す。
焼き肉のトトリを経営する谷田和夫さんは、「短大時代から学生に来てもらっている。当初は少ない人数でしたけど、現在は15人を雇用しており、みんな頑張ってくれ大変助かっています」と話している。
このように、学生のアルバイトは、市内の事業所等の経営を支えており、地域経済に大きく貢献している。
学生が実施しているボランティア活動なども、まちづくりに影響を与えている。
19年度以降、町内会・子供育成会などの行事等への参加・協力として、豊栄区、大橋区、大橋商工団地区、北新区などの早朝ラジオ体操、町内会一斉清掃(北新区)、夏祭り(北新区、大橋区、西町3区)、ネットワーク食事会(14区)、新年会(東12区)などがある。これらは、学生個々のボランティアと、授業の一環(保健師課程履修生、地域との協働Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ)としての活動の両方あるが、学生の参加によって、町内会などの活性化に寄与していると言える。
また、各種委員会や審議会への参画として、23年度は、名寄市総合計画審議会、名寄市利雪親雪推進市民委員会、名寄市地域公共交通活性化協議会、名寄高等学校運営協議会、名寄市ボランティアセンターなどの委員のほか、防衛モニターを務めている学生もいる。学生が参画することで、若年世代の意見反映などさまざまな効果が期待される。
名寄商工会議所の藤田健慈会頭は、「経済的な側面はもちろん、学生のアルバイトは、市内の重要な働き手となっている。また、消費者として、若い人たちの意見を聞けることが大きい」と話している。