ニシンが産卵のため回遊し、広範囲で海面が乳白色になる現象の群来(くき)が1日、稚内市坂の下の海岸で確認された。宗谷管内では2019年以降、毎年群来が出現し、春の風物詩となっている。
この日は好天で春らしい気温となり、波も穏やか。坂の下地区では一部の場所で乳白色の海が広がっていた。
群来が発生した範囲は沖側に100㍍ほど、横に800㍍ほどと広範囲。近くではゴメが飛び回り、海中のニシンを狙っていた。漁業者の男性は「群来が出ると春が来たなという感じ。ニシンなど様々な魚種で資源回復に向かっていけば」と期待。
群来によって海がエメラルドグリーンに輝き、夕日が丘パーキングではくっきりと見える利尻山とともに写真撮影を楽しむ旅行者などが訪れた。
かつては稚内などを含め、広い範囲でニシンが大量に水揚げされたが、1955年頃から姿を消した。昔は春になるとニシンの産卵で海岸が真っ白に。60数年、群来も無く寂しさが続いていたが、ここ数年は管内でも毎年のように確認されている。 (梅津眞二)
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