【名寄】
名寄市地域公共交通活性化協議会(会長・橋本正道副市長)の会議が、5月31日午後1時半から「よろーな」で開かれた。
会議で橋本会長は「燃料高騰や運転手不足、人口減など厳しい環境だが、利便性の高い公共交通構築のため、皆さんの知見をお借りしたい」と挨拶した。
協議会事務局が、公共交通見直しに向けて委員間の共通認識を深めてもらうため、市内外のバス運行や利用状況、名寄市が負担している補助額などを説明した。
市外連絡バス(地域間幹線系統等)については、名寄線(道北バス)、下川線(名士バス)、興部線(同)、恩根内線(同)、中多寄線(士別軌道)、深名線(JR北海道バス)があり、国と道の補助、自治体単独の補助で運行しているとした。
各線の利用人数と運行補助のバランスでは、利用が減少傾向にある一方で、補助負担額が年々増加しており、持続的な運行が大きな課題になっていることを強調した。
市内路線・市街地間・郊外デマンドバスは、市内広域が風連線(名士バス)と日進ピヤシリ線(同)。市街地がコミュニティバス東西まわり(同)と徳田線イオンバス(同)。デマンドが下多寄線(同)、御料線(同)、AI活用型オンデマンドバス「のるーと」(三浦ハイヤー、名寄交通)で、のるーと以外は市外バスと同様、利用者が増えない中で補助額が増加しているとした。
ニーズや利便性の高い公共交通への見直しに向け、各路線の現状を把握した委員からは「人口が増えない中でも必要な路線ばかり。全体的にコストを抑える方向で取り組まないと立ちいかなくなるため、運行方法などを変えたサービス維持も視野に入れ、丁寧な調査を行い、見直すべき」など意見が出された。
橋本会長は、利用者の実態をさまざまな視点から深掘りする調査を行い、データを収集して見直す考えを示し、「調査の実施方法を検討したい。これと合わせ、名寄地区のみの運行となっている『のるーと』の風連と智恵文地区での運行の可能性も調査したい」とした。
また、事務局が「下川線と興部線は一部重複し、補助金も二重となっているため、最適化に向けて検討したい」と説明して理解を求めた。