市立稚内病院泌尿器科 常勤医に森下さん着任 手術や入院対応が可能に

 市立稚内病院に、4月1日付で着任した泌尿器科常勤医の森下俊さん(30)。今春から外来の診療日数を週5日に増やしたほか、手術や検査日を設け、入院患者の受け入れを可能にした。これまで緊急性がある患者は名寄、旭川の病院で診察や手術などを行ってきたが、稚内で対応することができるようになり、森下さんは「稚内の地域医療の一端を担っていきたい」と決意を語った。
 同病院の泌尿器科は2015年4月から常勤医不在の状態が続いていたが、9年ぶりに解消。3月までは旭川医大による出張医が平日の週2回対応していたが、森下さんの着任によって週5日となり、外来や手術、検査対応などを担っている。
神奈川県出身で、幼少の頃に地元の小児科医と接する中で町医者に憧れを抱いた。「小児科の先生に良くして頂いた。色々な話をしてくれてアットホームな雰囲気でしたね」と医師を目指すきっかけになったという。
旭川医大に進学し、2018年に医師免許を取得。旭川で研修医として2年間勤めた中で、泌尿器科医を目指していきたいと目標を持った。富良野、北見、旭川の病院勤務を経て稚内に着任した。
3月までは稚内の泌尿器疾患を持つ患者を旭川医大でも診ていたこともあり、森下さんは稚内の医療を手助け出来ればと意欲。「これまで緊急の結石治療や処置が必要な場合は、旭川や名寄に搬送しなければならなかった。常勤医が稚内にいれば患者さんの負担軽減に繋がると思い、決意しました」と述べた。
手術や処置では、尿管結石や進行していない膀胱がん、前立腺肥大症、尿管ステントの定期交換などを行う。特に高齢者が旭川などの基幹病院に行くのは距離的にもひと苦労。尿管が狭窄している人はステント交換が必須で「患者さんの中には旭川に行かなくても済むと安心してくれる方もいます」という。
趣味は学生時代に励んだソフトテニスで、大学時代はインカレ(全国大会)の出場経験も。「せっかく稚内に来たので釣りも頑張ってみたい」と釣り竿を購入。温泉も好む。
(梅津眞二)