目標胸にシンガポール遠征 国際交流でさらなる飛躍へ 名寄OHANAの佐久間さん、涌井さん 道ヤングクラブバレーボール連盟事業

【名寄】

シンガポール遠征に臨む涌井さん(左)と佐久間さん

 NAYORO Volleyball Academy(名寄バレーボールアカデミー)の参加者で構成する、名寄ヤングバレーボールクラブ「名寄OHANA(オハナ)」(小林昌史代表)に所属する佐久間葵惟(きい)さん=名寄東中3年、涌井愛珠(あず)さん=士別中3年=の2人は、今月26日から行われる北海道ヤングクラブバレーボール連盟(紺屋正雄会長)によるシンガポール遠征に参加する。
 今回のシンガポール遠征事業は、同連盟創立記念事業の一環として企画。創立10周年の2022年度に実施する計画だったが、新型コロナ感染症拡大の影響で延期。元シンガポールシニアチーム監督で、同連盟スーパーバイザーを務める成田明彦さんの尽力もあり、本年度、実施されることとなった。
 同連盟創立5周年の際は男子中学生を対象にシンガポール遠征を行った経緯があり、今回は全道の女子中学生12人を選抜して北海道選手団を編成。選手団の練習会を8月(深川)と10月(札幌)に開催し、11月には札幌で結団式が行われた。
 選手団は、今月26日にシンガポールに向けて出発。現地の中高生との練習・試合や交流、歴史・文化を学び、30日に帰国予定。
 小林代表によると、シンガポールは世界有数の教育推進国とのこと。「勉学とスポーツに力を入れる選手たちとの交流は大変有意義。文化・教育環境の違いを知り、バレーボールに接することは、子どもたちの人格形成にも好影響となるとともに、経験を地域に還元することで大きな貢献になると考えている」と期待を込める。
 佐久間さん、涌井さんが活動する同アカデミーは①バレーボールの普及と元気な街づくりへの貢献②バレーボールを通した人間的成長と技術の向上③学業との両立と学校部活動との融和―の3点を基本理念に、部活動地域展開を見据えながら週末に活動。
 「名寄OHANA」は、同アカデミー参加者で組織し、特に中学校3年生の部活動引退後も「高校でもバレーを続けたい」「バレーは中学校で終了したいけれども、もう少し練習したい」と考える選手の活動場所として取り組んでいる。「OHANA」はハワイ語で「家族」を意味する。
 シンガポール遠征への参加を受け、佐久間さんは「誰でも経験できることではないので、技術やプレーの仕方はもちろん、バレーボールに向かう姿勢など、多くのことを学びたいです。その学びを、できるだけ多くのチームや地域の仲間に伝えたいです。海外の選手と交流できる大事な機会。たくさんコミュニケーションがとれるよう頑張ります」。
 涌井さんは「目標は自信を持ってプレーすることです。海外の選手は、高さや速さがあり、いつもとは違う場所や雰囲気の中でプレーするので、戸惑うこともあるかもしれません。でも、堂々と自信をもって、自分ができることに精いっぱい取り組みたいです。国際交流という貴重な経験を通して、自分自身の成長につながる機会にしたいです」と抱負。
 同連盟の紺屋会長、大門正人理事長は「日本では中学生女子のネットの高さは2・15mだが、世界では中学、高校、一般もネットの高さ(女子2・24m)やボールの大きさなど全て共通の中でプレーしている。海外選手とのプレーや交流を通じ、日本国内だけの良き社会人ではなく、良き国際人を目指してもらいたい」と、さらなる飛躍に期待を込める。
 小林代表は「上川北部地区に限らず、競技人口の減少は進んでおり、特に広域のこの地区では、活動ができる場所も限られます。そのような中、われわれ指導者が子どもたちに、どんな環境を提供できるかがとても重要だと考えています。地域の中だけでなく、全道、全国そして海外と視野を広げる機会を提供できればと思います。2人の前向きな姿勢が、次世代の子どもたちの見本となり、海外での体験が地域の活性化にもつながると思います。また、北海道ヤングクラブバレーボール連盟の事業に際し、地域の方々に多くのご支援をいただきました。今後も、名寄OHANAでは、競技の普及と元気な街づくりへの貢献ができるよう取り組んでいきます」と気持ちを新たに語る。

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