糖尿病や認知症予防へ理解深める たに内科の谷院長を講師に 名寄で「市民の健康を守る医療講演会」

【名寄】

第20回市民の健康を守る医療講演会が、11月30日午後6時からホテル藤花で開かれ、「明日を元気に迎える為に、今出来る事」をテーマに、たに内科クリニックの谷光憲院長の講演を聴いた。
同講演会は名寄市、名寄市国民健康保険、名寄新聞社の主催。北星信用金庫の後援で開催。
谷院長は、人間の寿命は後天的要素に大きく左右され、食事、運動、睡眠などの適切な生活習慣が大切であること、日本人の死因のトップはがんであることを説明。また、がんなどの早期発見・治療のためには検診を受けることの重要性を説き、「介護状態となる一番の要因は認知症で、早めに見つけて進行を抑えることが大切」とした。
認知症の3大誘因に糖尿病、喫煙、高血圧をあげ、このうち糖尿病について、2型糖尿病は遺伝的要因が強いこと。空腹時血糖のみを検査する健診では、早期の糖尿病は発見できないとし、「糖尿病予備軍、隠れ糖尿病を早期に発見し、生活習慣を改めることで改善できる」と話した。
糖尿病で怖いのは、神経障害、網膜症、腎症の合併症とし、合わせて認知症のリスクを高めることを指摘し、「いかに早期に糖尿病を見つけ治療し、健康寿命を延伸させるかが大切」とし、適切な糖尿病治療につなげるためにも、血糖値の日内変動を測定する必要性にも触れた。
また、血糖値の急激な上昇を防ぐためには、玄米など食物繊維が豊富な食品を取り入れることの有効性や、食事の際は野菜類を最初に食べるベジタブルファーストの他、「最近は肉や魚などおかずを最初に食べ、野菜、汁物、ご飯と食べることが、肥満で体重を落としたい人には有効とされている。そして、主食を少しだけ減らすこと」と説明。
腸活は認知症予防にもつながる―とし、認知症予防のための食材に青魚を挙げ、「青魚をたくさん食べる人は、血糖平均値も下がる」と説明。食事はおいしく、楽しく食べることも死亡リスクを下げるとした他、「納豆も1日1パック、週に1から2回食べてほしい」と呼び掛けた。
糖尿病のリスクを高める肥満の予防では、「早食いはしないこと。食事の際は1口につき20回から30回かむことが大切。よくかむことで血糖値も上がりづらくなる」とした他、睡眠と糖尿病の関係で、「睡眠時間7時間を基準とし、これ以上では運動不足の関係で、これ以下ではストレスの関係で、いずれも糖尿病のリスクを高める」などと話した。
最後は、参加者全全員で、椅子に座った状態で両足を交互にあげ下げする運動や、足踏みをしながら100引く7の計算を行う「ながら運動」を体験するなど、日ごろの運動の大切さについても理解を新たにしていた。