美深小学校「一日防災学校」 災害に備え、意識高める 講話や避難訓練、応急処置など 美深消防署、陸自名寄駐屯地が協力

【美深】

 美深小学校(藤原雅宏校長、児童106人)の「一日防災学校」が、26日午前9時半から同校で開かれた。児童たちは防災講話や消防車装備見学、地震避難訓練、自衛隊装備体験、応急処置体験など、さまざまなプログラムを通して災害に備え、防災意識を高めた。
 学校行事として毎年実施。地震発生時の危険について理解し、正しい備えと適切な判断や行動を取れるようにすることが目的。美深消防署(酒井博昭署長)、陸上自衛隊名寄駐屯地(大谷進一郎司令)が協力した。
 学年別に行われ、1・2年生は消防署員による防災講話を聞いた後、消防車と装備を見学した。
 防災講話では、落雷や火災発生時の注意点も理解。消防車に搭載されている資機材のカッター、スプレッター、空気ボンベ、ホース、ノズルなどを目にするとともに、火災現場で身に着ける空気ボンベと防火衣で合わせて20kgほどの重さになることを知った。
 地震避難訓練では、中休み中に「緊急地震速報」の放送が流れると、子どもたちは机の下に隠れたり、その場で体を伏せたりするなどして身を守り、体育館へ避難した。
 避難後、酒井署長は21日の地震(美深で震度1、名寄で震度2)に触れながら「落ち着いて避難していました。物が倒れたり、落ちてきたりするので、机の下などで頭を守ってください」。
 藤原校長は「いつも先生がいるわけではありません。自分で考えて決めて行動できるようにしてください」と呼びかけた。
 避難訓練の振り返りでは、校舎内の危険な箇所としてロッカーや図書室の本棚の近くなどを挙げた。
 また、地震発生時の安全行動で「シェイクアウト」を実践。姿勢を低くして頭を守り、体は動かさないことを学んだ。
 3・4年生は自衛隊の装備体験。上着、ヘルメット、防弾チョッキなどを着用するとともに、見た目よりも重みがあって、驚いている様子だった。
 自衛隊員たちが人命救助を実演。建物の下敷きになった人がいることを想定し、コード付きのカメラで内部を確認。エアジャッキで障害物を持ち上げながら救出し、担架で搬送した。
 5・6年生は負傷者搬送と応急処置を体験。応急処置では、ゴムが入った伸縮式の救急包帯を使用しながら、傷口の保護や止血の方法を自衛隊員たちから学んだ。
 負傷者搬送では、折り畳み式の担架を使用。担架の進む方向としては、足側から運ぶことで前進する様子が見えて安心感が生まれること。坂道では血液が逆流しないよう必ず頭側を上にすることを理解した。
 児童たちはさまざまな体験に取り組み、楽しく学びながらも万一の災害に備え、防災意識を高めた。

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