豊富町出身・小川さんが市立稚内病院で研修医に 地域医療を支える決意 将来は産婦人科医に

市立稚内病院の初期臨床研修プログラムで今年度、4人の研修医が着任した。このうち、豊富町出身で旭川医大卒の小川伶奈さん(24)が稚内の医療を経験。小川さんは「出身が豊富町ということもあり、稚内の病院に通院していたことがあった。この地域医療を支え、少しでも力になることが出来れば」と力強く語った。

豊富町の兜沼小中学校を卒業し、札幌北高校に進学。地方で生活するなかで医師不足を実感したほか「小児科に通院した時に女性の先生と接したことも大きかった」と振り返る。中学3年の頃に医師を目指すため、札幌の高校を志望した。
市立病院を研修先として選んだ理由は地元が近く、地域医療に貢献したい思いから志望。「これから色んな経験を積み、将来は産婦人科医になるために努力していきたい」と大きな目標を持って研修に臨んでいる。
今年度着任した研修医は小川さんを含む旭川医大出身者が2人、秋田大学1人、中国の北京大学1人となっている。任期は26年3月末までの2年間。今月1日に國枝保幸院長から辞令を受けた。

初期臨床研修プログラムでは、2020年度から23年度はいずれも3人を採用。今年度は定員4人に対し12人が応募。臨床研修制度の導入後、同病院としては過去最多の応募、採用数となった。
安定的な研修医の確保は、稚内の知名度が全国的に浸透していることが大きな要因。市立病院の先輩研修医が動画サイト・ユーチューブで医療現場の実態や、やりがいなどを積極的に発信。医大生などの間で稚内の知名度が向上し、研修医の志望者が増えている状況にある。
今年度の市立病院の研修医は2年目を迎えた3人を含め、計7人体制。医療現場の戦力の1人として患者対応にあたり、医師として経験を積んでいる。

(梅津眞二)