【名寄・美深】
JR宗谷本線では、今冬もラッセル列車が運行。全国各地の鉄道ファンが沿線を訪れており、「赤い雄姿」をカメラに収めている。
ラッセル列車は、積雪に関係なく定期運行ダイヤを設定。宗谷本線では通称「宗谷ラッセル」と呼ばれ、今シーズンは昨年12月8日から名寄~南稚内間、同月20日からは旭川~名寄間でも毎日運行している。
車両は運転台付きの「ラッセルヘッド」をDE15形ディーゼル機関車の前後に連結。機関車を前後付け替える「機回し」をせずに、折り返しを容易としている。
かつては全道の各線区でラッセル列車が走っていたが、ここ二十数年は保線作業員が操縦する排雪モーターカーや排雪ロータリーの性能が向上し、随時、除雪するようになっている。
そのため、定期のラッセル列車は現在、宗谷本線の旭川~南稚内間をはじめ、石北本線の新旭川~遠軽間、函館本線の札幌~長万部間に限られている。
一方、DE15形機関車の老朽化が進んでおり、各部の腐食や使用部品の生産中止に伴い、継続使用が困難となりつつあり、2021年度から新型除雪車両のキヤ291形ラッセル気動車を導入。現在は1両のみで、石北本線で運行しているが、宗谷本線で試運転したことはあり、今後はキヤ291形の増備が進められ、置き換えられる見通しだ。
現行のDE15形は、車両数が残り少なくなり、ラッセル列車自体も希少な存在であることから、鉄道ファンの間では人気が高く、多くの人たちが沿線を訪れ、撮影している。
雪が降り積もる中、赤いラッセル列車がエンジン音を力強くうならせ、豪快に雪をかき分けて線路脇に跳ね飛ばしながら、疾走している。
雪の跳ね具合は通過前の降雪量で大きく変わり、特に通過直前に雪がやんで晴天が広がれば、写真や動画として一層映える。
このような要素は運も大きく左右されるため、納得いく撮影ができるまで何度も沿線に通う人もいる。
赤い車体と真っ白な雪のコントラストが際立っており、鉄道ファンは「赤い雄姿」を追いながら、厳しい冬の鉄路を守るシーンをカメラやビデオに収めている。
南稚内駅から天塩中川駅、名寄駅への上り方面は、朝から昼過ぎにかけて運行するため撮りやすく、撮影スポットも多い。今シーズンの運行は3月半ばまでを予定している。
撮影の際は、線路敷地内に絶対に立ち入らない、列車の運行を妨害しないなど、ルールとマナーの厳守を。
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