販売取扱高は計画上回る97.9億円 北はるか農協通常総代会、当期剰余金1億2308万円 酷暑で収量低下した品目も、アスパラ、カボチャは単価高

【美深】

事業を振り返り、挨拶した小林組合長

北はるか農協(小林治雄組合長)の第21回通常総代会が、16日午前10時から美深町文化会館COM100で開かれた。2023年度の事業報告で、夏場の酷暑と降雨の影響を受けた品目もあったが、農産青果で近年にない単価高となり、取扱高が計画を上回った。酪農畜産では生乳の生産量が伸びたことや単価高によって、計画を上回った。販売事業合計の取扱高も計画を上回る97億9296万円となった。当期剰余金は1億2308万円を計上した。
 開会で小林組合長は23年度事業を振り返りながら「不安定な原油価格、150円を超える円安など、不安要素が山積しているが、食料生産を止めてはいけない。皆さんが誇りを持って食料を生産し、対価を得られるようにしたい。今年も早い雪解け、気温も高めであり、天候に留意しながら、目先の利益にとらわれず、基本に忠実な営農を心がけ、出来秋となるよう祈っている」と挨拶した。
23年度の事業報告で、農産青果は、夏場の酷暑と降雨によって、麦類の収量と品質の低下、そばでも湿害で減収となった。青果関係ではカボチャの着果が悪く、収量の減少と高温多湿による品質への影響が心配された。
アスパラやカボチャなど、青果部門では猛暑による品不足、外食産業の活性化などが奏功し、近年にない単価高となった。農産青果の取扱高は23億9668万円で、計画比103.5%の実績となった。
酪農畜産では、生乳の減産計画の中、初妊牛の価格をはじめ、乳牛の個体販売価格が下落したが、全国的な猛暑によって、乳牛の事故や後継牛の不足が懸念されており、価格が上昇しつつある。
生乳の価格も生産費の高止まりを反映して乳価が値上がりしているが、生産費の上昇や個体価格の下落を補う水準までには至っておらず、農家経済は予断を許さない状況。
生乳の生産量は中川の大規模法人で生産が伸びたことや単価高によって、計画を上回った。肉牛の販売価格は全国的な販売頭数の増加によって、価格の下落がみられている。
畜産部門でも飼料など生産費用の高止まり、個体販売価格の低迷、消費の伸び悩みなど、厳しい販売環境が続いている。酪農畜産の取扱高は乳価の期中改定の影響により73億9628万円で、計画比102%となった。
販売事業合計の取扱高は97億9296万円となり、計画比で103.2%、前年実績比では104.3%となった。
事業利益は1億1817万円、当期剰余金は1億2308万円を計上した。
24年度の事業計画では、第6次農業振興計画・中期経営計画の最終年と第7次計画樹立の年であり、農業情勢が不透明感を増している中、地域農業の発展と農協の経営基盤強化に取り組む。
農産青果は、懸案事項だった麦乾燥調製施設を整備し、本格稼働する。農作物の連作障害回避の手段として活用するとともに、小麦を中心とした輪作体系の確立に取り組む。青果部門では冷凍事業、規格外品の加工などを行う企業への出資、連携を図り、有利販売に努める。
酪農畜産では、生乳生産基盤維持対策、乳用牛飼養環境向上支援など、酪農体質強化関連対策を実施し、生産基盤の充実を図る。畜産部門では厳しい経営環境が続いているが、繁殖雌牛高位平準化支援事業の活用を検討する。
販売事業合計の取扱高は97億7184万円を見込んでいる。